2022.01.12
2023.09.11
老犬の夜泣きの原因とは?対処法やケア方法解説
シニア犬になると、夜泣き(鳴き)が酷くなり困ってしまうことがあります。
夜泣き(鳴き)が酷くなるのは、認知症や痛みなどが原因になっている可能性があります。
この記事では、老犬の夜泣きの原因や対応方法などを詳しくまとめました。
この記事の監修者
増田 国充氏
ますだ動物クリニック院長 / 獣医師
増田 国充氏
ますだ動物クリニック院長 / 獣医師
獣医師、防災士、2001年北里大学卒
2007年ますだ動物クリニック開院。診療に東洋医療科を加え、鍼灸や漢方による専門外来を実施。運動器疾患に対して鍼灸による治療を積極的に取り入れ、県内外から症例に対応する。また、鍼灸・漢方等で国内外で講演を実施。動物看護系専門学校非常勤講師兼任。
「老犬の夜泣き(鳴き)」とは
子犬、成犬、老犬によって、夜泣きの原因は異なってきます。
愛犬の夜泣きを改善するには、夜泣きをする「原因」を突き止めましょう。
飼い主さんが愛犬の欲求や要求を見逃している可能性もあるため、今一度原因を探ってみましょう。(※1)
老犬の夜泣き(鳴き)の原因
老犬(シニア犬)の場合は、どのような原因で夜泣きをするのでしょう。
ここでは、老犬の夜泣きの原因を紹介します。
病気などからくる痛み
老犬になると、成犬時に比べ身体の不調が多くなります。
病気など身体の不調からくる「痛み」や「苦しみ」が原因で、夜泣きをすることがあります。
認知症
犬にも、「イヌの認知機能不全症候群(認知症)」があります。
犬の認知症は、夜泣きを含め昼夜逆転や徘徊、粗相などの症状が見られます。
また、これらの行動の変化のほか、食べたことを忘れてひたすら食べる場合もあります。
日常生活に不安や恐怖を感じている場合
老犬になると、「視力の低下」や「耳が聞こえにくい」などといった、日常生活に支障をきたすことが増えていきます。
これらの症状は、愛犬にとっても不安や恐怖を覚えがちです。
不安や恐怖が強くなると、「飼い主に側にいてほしい」 「一人にしないでほしい」などといった欲求から、夜泣きをすることがあります。
身体の不自由を飼い主に要求している場合
身体が不自由になった老犬に多い夜泣きの原因が、「要求」です。
- 喉が渇いた
- 空腹
- 粗相をして寝床が不快
- 暑い、寒い
このように、自力で欲求が満たせない場合、飼い主さんに助けを求める「要求」として、夜泣きをする場合があります。(※2)
犬の夜鳴きの原因には、上記のように様々な要因があります。しかもこれらが複数関連していることも少なくありません。
近年は犬の認知症が増加しています。特に日本犬、柴犬がその代表格にあたります。発症した場合、元の状態に戻すことが困難であるのが現状です。脳神経系の老化に有効なサプリメントがペット用として入手することができます。
体の痛みや動けないことに対するストレスといった要因も無視できないものがあります。ただ、なかなか原因の特定をすることが難しい場合もありますので、シニア期になった際には、定期的に健康診断を受けるなど体調の変化に素早く気付けるよう、愛犬の様子をつぶさにチェックされることが効果的です。
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夜泣きの対処法
老犬の夜泣きは、どのように対処をすれば良いのでしょう。
ここでは、原因ごとの夜泣きに対する対処方法を紹介します。 (※2)
痛みからくる場合
体の痛みからくる夜泣きの場合は、病気などが原因になっている場合があります。
自力で解決するのは難しいため、動物病院で治療を受けることが大切です。
認知症の場合
認知症の場合も、動物病院で治療を受ける必要があります。
完全に治療することは困難ですが、獣医師の指示に従い症状を緩和するケアをしましょう。
不安や恐怖の場合
愛犬の不安や恐怖は、飼い主さんの対応が最も重要です。
飼い主さんをはじめ、誰かがなるべく近くにいてあげることや、寝る部屋を一緒にして、側にいる時間を増やすことで、不安や恐怖心の軽減が期待できます。
要求の場合
愛犬が何に対して要求をしているか、原因を突き止めることが大切です。
愛犬の様子を観察して、どのタイミングで夜泣きをするか原因を探ります。
原因がある程度しぼれたら、それに対して飼い主さんがサポートをします。
例えば、飲み水の高さや位置を工夫する、寝床の粗相対策にペットシーツや場合によっては犬用のおむつを穿かせるなど、できる範囲でサポートをします。
一人でサポートをするのに限界がある場合は、家族やペットシッターなどの手を借りることも大切です。
飼い主さんが愛犬のために行うこと
夜泣きをする老犬に対し、飼い主さんはどのような対応をすればよいのでしょうか?
ここでは、夜泣きをする老犬への正しい対応方法を紹介します。(※3)
絶対に叱らない
一晩中夜泣きが続くと、ストレスになりがちです。
どうしてもきつい言葉をかけたり、叩いたりしがちですが、それは逆効果です。
信頼関係が悪化するとともに、余計にストレスから夜泣きが悪化する可能性もあります。
獣医師・動物病院を受診
夜泣きが酷く、手に負えない場合には、 一人で悩むのではなく獣医師に相談することをお勧めします。夜泣きの原因が痛みや認知症からくる場合は、適切な治療を受けることで、症状の緩和が期待できます。
また、そのほかの原因でも対処方法やサプリメントの使用などのアドバイスをもらえる場合もあります。
飼育環境の見直し
老犬は、成犬よりも身体にさまざまな負担がかかります。
そのため、飼育環境の見直しも大切です。
- 食器の位置や高さ
- エサの内容
- 寝床の状態
- トイレの位置
- 生活リズムの乱れ
老犬になると、成犬の時とは違った飼育環境が必要で、合っていない場合は痛みやストレスの原因に繋がることがあります。
防音対策
夜泣きへの対策を実行しても、直ぐに治るわけではありません。
近所迷惑や家族の睡眠の妨げになるなど、ほかの問題も出てくる場合があります。
そこで、できる範囲で防音対策をする、鳴き声の響きを軽減しましょう。
防音グッズには、以下のような商品があります。
- 取り外し可能な防音パネル
- 防音カーテン
- 吸音材
これらの防音グッズをうまく活用して、周囲や自身の健康を守ることも大切です。
ご近所への迷惑にならないために
夜泣きは、近隣トラブルに繋がることの多い問題行動の一つです。
対策をしても少なからず迷惑をかける可能性があります。
そこで、状況を説明して謝罪をし、理解を求めることも大切です。
全ての方に納得してもらうことは難しいのですが、挨拶をしておくだけでも印象は変わります。
生活リズムを整えましょう
老犬になると、日中も寝ている時間が多くなりがちです。
また、散歩を拒否する、ほとんど動かないなど運動不足も増える傾向にあります。
このような生活は、愛犬の生活リズムが崩れ、昼夜逆転のリスクが高まります。
生活が昼夜逆転すると、夜中に目が覚めてしまうため、夜中に要求することが多くなり、夜泣きに繋がりやすくなります。
愛犬の生活リズムを整えるには、以下の方法がおすすめです。
- 朝日(日光浴)を浴びる
- 無理のない範囲で散歩、軽い運動
- 昼寝の時間をある程度制限
日光によって、セロトニンやメラトニンなど生活リズムを整えるホルモン物質を分泌します。
散歩をして軽い運動、日光浴、外の刺激を受けるなどすることも、脳を活発にして認知症予防などに効果が期待できます。
もしもにそなえる生前見積もり
ペットちゃんのもしもの時、慌てて悔いの残るお別れとならないよう、事前準備が必要です。ペトリィでは生前のご相談も可能です。
自宅での葬儀
家族立ち合い
セレモニー
家族でお骨上げ
骨壺に納めご返骨
霊園への埋葬
老犬の夜鳴きの問題は、飼い主さんからの相談の中でも多くを占めます。実際にお話を伺うと、切迫した切実な問題となっていることが非常に多いのが現状です。ご自身あるいはご家族の安眠が妨げられることはもちろんのこと、ご近所さんから苦情があった場合はさらに心身の疲弊につながります。本文の紹介にもありましたが、夜鳴きを完全な形で治癒に導くことが困難な場合がありますが、様々な工夫を加えていくことで特に夜間に犬がすやすや眠ることに繋がりやすくすることはできます。
獣医師やペットシッターさんといった専門家に相談するなどし、おひとりで抱え込まないようになさってください。
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まとめ
- 老犬の夜泣きは、犬の感情表現
- 原因は痛みや認知症、不安など
- 対処方法は原因によって異なる
- 飼い主は絶対に叱らない
- 症状が重い場合には主治医へ相談
- 飼育環境の見直しや生活リズムを整えることも重要
老犬の夜泣きは、犬の「SOS」とも言えます。
飼い主さんは、この「SOS」を見逃さず、愛犬が何をして欲しいのかを突き止めることが大切です。
※1:【プロドッグトレーナー監修】犬の夜鳴き(夜泣き)に困っています。その理由と対処法
https://www.petfamilyins.co.jp/pns/article/pfs202107h/
※2:獣医師監修|老犬の夜泣き(夜鳴き) 原因と対策・予防、実際の体験談も
https://dog.benesse.ne.jp/withdog/content/?id=107884
※3:老犬の夜鳴き(夜泣き)!考えられる原因とは?対処方法もご紹介
https://pet-tabi.jp/weblog/rouken-yonaki/
※1当社運営ペット葬儀サービスに対するお客様アンケート:詳細はこちら ※2 弊社運営ペット葬儀サービス全体のお問い合わせ件数
この記事の執筆者
原 京子氏
動物看護士
ライター
原 京子氏
動物看護士
ライター
24時間急患対応の動物看護士として勤務。
その後、動物園飼育スタッフやペットショップ生体販売員など数多くの動物業界を経験し、現在はペットと飼い主さんへwebライターとして正しい知識を配信している。
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