2023.02.21
2023.09.11
ペットロスの乗り越え方と重症化する原因を解説

ペットロスは焦らずに、否定・交渉・怒り・受容・解決5つのステップを踏んで段階的に克服していきましょう。その具体的な方法を詳しく解説します。また、ペットロスを乗り越えるためにも重症化を防ぐ必要があるため、重症化の原因も解説します。
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ポイント
ペットロスの克服とは、亡くなったペットのことを忘れることではありません。むしろ、ペットとの思い出を振り返り、写真を飾るなどをしてペットの死に向き合うことが大切です。そのためにできることは、がまんをせず悲しむこと、思い出に浸ること、供養をすることなどです。そして、重症化の原因は、罪悪感や怒りを抱え込むことや周囲との感覚の不一致などが挙げられます。
ペットロスとは?
ペットロスとは、ペットを失うことにより悲嘆に暮れ、身体的・精神的にダメージを受けることを言います。
出てくる症状は個人差がありますが、抑うつ、不眠、疲労、摂食障害、脱力感、無力感、めまい、幻覚、胃潰瘍などが代表的なものです。
これらの症状が慢性的で強くなってくると、ペットロス症候群と呼ばれるようになります。
ペットロスの克服と忘れることはイコールではない
大切な存在を失ったら、誰もが悲しみを抱きます。
それは、ペットを失ったときも同様です。ペットを失い、ペットロスにおちいることは正常な反応です。
そして、ペットロスの克服とは、ペットのことを忘れることではありません。
なぜなら、ペットとの思い出を大切にすることが治療につながるからです。むしろ、ペットのことを忘れようとするほうが、ペットロスが長引く可能性があるかもしれません。
ペットロスの克服を怖がらずに、前向きに検討してください。
ペットロスを乗り越える5つのステップ
ペットロスを乗り越えるには、5つのステップがあります。
一足飛びに焦って克服する必要はありません。ゆっくりと乗り越えていきましょう。
否定
愛するペットの死は誰しもが受け入れたくありません。
ペットロスに陥るときはまず、この「否定」の感情が付きまといます。
「なぜ」、「どうして」と考えれば考えるほど落ち込みやすく、現実から逃避しようと自己防衛機能が働きます。
この「否定」から抜け出すには相応の時間が必要です。長い人で数日を要し、ようやく否定的な感情から抜け出します。
交渉
否定から抜け出すと、次に「交渉」に入ります。
「どうかこの子を生き返らせてください」「病気は自分が引き受けるからこの子だけは」と、神様や病気、環境、ペットなどと交渉をしようと試みます。
しかし、この交渉がうまくいくことはありません。
それを仕方がなくも受け入れると、次の感情が芽生えます。それが「怒り」です。
怒り
「ペットが亡くなったのは自分のせいだ」「病気のせいだ」「獣医のせいだ」などと、受け入れ難い現実を何かのせいにし、怒りの感情をぶつけます。
中でも、「もっと早く獣医師に相談していれば」「ちゃんとケージのカギを付けていれば」など、自分に対する怒りは長引きやすく、「後悔」のかたちで後々まで尾を引く可能性もあります。
受容
怒りの感情も次第に落ち着き、ペットの死という現実を受け入れるようになります。
この「受容」までくると、ペットロスからの立ち直りも遠くありません。
ただし、不慮の事故など、自分のせいでペットが亡くなったと感じてしまう場合は喪失感を埋めきれず、より深い悲しみにおちいることが多いでしょう。
しかし、それでもこの悲しみは一生続くわけではありません。
解決
長い方で数カ月を要し、次第にペットロスが「解決」にたどり着きます。
これは、ペットのことを忘れることではありません。
ペットとの思い出を糧に、心身ともに健康を取り戻して日常にかえることこそが「解決」です。
「ペットが亡くなったのに、自分だけが普通の生活に戻っても良いものか」と考えてしまうこともあるかもしれません。
しかし、そのような心配はいりません。
愛するペットもまた飼い主を愛しています。
きっとあなたが日常を取り戻すことを、ペットも望んでいるのではないでしょうか。※1
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ペットロスの具体的な克服方法
ペットロスは段階的に乗り越えていくものだとわかったら、具体的な克服方法も確認してみましょう。
もちろん、「時間」も克服に必要な要素です。克服方法をどんどん試すなどして乗り越えることを急がず、自分のペースで克服を目指してください。なぜなら、喪失感は何かをすることで完全に埋められるものではないからです。
悲しんで別れを惜しむこと
元気なふりや、無理をして別のことに取り組む必要はありません。
ペットが亡くなって悲しむことはおかしなことでも、珍しいことでもなく、普通のことです。がまんをせず、精一杯悲しんであげてください。
気が済むまで泣いて、別れを惜しむことそのものが、ペットロスの克服にもつながります。
思い出に浸る
ペットとの思い出を振り返る時間も大切です。
服やリード、食器、おもちゃなどの思い出の品は、急いで処分をすると逆効果を招くでしょう。筆者自身も、最後に愛猫を抱いた服はなかなか洗えませんでした。
気持ちが落ち着くまで手元に残し、思い出を振り返ってみてください。
そして落ち着いたら、次の項目に移りましょう。
ペットとの思い出を整理する
ペットが使った品物には思い出がたくさんつまっています。
それはペットにとっても同じことかもしれません。
気持ちが落ち着いたら、大切にしまう、あるいは飾っておいてあげてください。ペットと一緒に火葬をすることや、納骨堂に納めるのも良いでしょう。
気持ちの整理がつく前に対応してしまうと後悔が深くなり、ペットロスが長引く可能性も否めません。
ペットの葬儀事業などに取り組む業者によるアンケート調査の結果でも、ペットロスを乗り越える方法の第1位は「写真や思い出の品を飾る」でした。※2
これを見てわかるように、ペットとの思い出を忘れる必要はありません。
たくさん思い出を振り返ってあげてください。
相談や話ができる人を見つける
前出のアンケート結果の第2位に入ったのが、「家族でペットについて語り合う」でした。
家族や友達はもちろん、SNSのフォロワーも選択肢のひとつです。
ペットを愛する気持ちをよく理解してくれる人との会話は、ペットの思い出を振り返ることにもなり、結果として気持ちの整理につながります。
ペットロスがとても重たく感じるときや誰とも話せないときは、カウンセリングを頼っても構いません。
誰かに話すことそのものが、苦痛や不安を和らげることにもなるからです。
葬儀や火葬をし、しっかりと供養をすること
ペットの供養をしっかりと行うことも、ペットロスの克服に一役買います。
その理由は以下の3つにまとめられます。
- 死を受け入れられる・向き合える
- 区切りがつけられる
- ペットとの思い出を振り返る時間が作れる
このためにも、どのような供養にするのかをしっかりと考え、後悔のない葬儀や供養にしてください。※3
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ペットロスが重症化する原因を知ろう
ペットロスの克服方法を知るだけではなく、重症化をする原因を知ることで予防にもなり、治療につながります。
重症化をする原因を極力避けるようにしましょう。
罪悪感や怒りを抱え込む
ペットロスを乗り越える5つのステップの中でも、「怒り」と「受容」のハードルが高いケースもあります。
それは、ペットの死の原因が飼い主にあった場合や、「生前にもっとこうしてあげれば」と思い込んでいる場合、ペットの死の原因に対して怒りをぶつけている場合などです。
こうしたケースの場合は、ペットとの思い出そのものが死の瞬間だけに限られてしまっているともいえるため、できる限り楽しかった思い出を振り返るようにしてください。
ペットと長いときを過ごしたこと、それ自体を忘れないようにしましょう。
相談や話ができる人がいない
周囲にペットのことを話せる相手がいないときは、自分だけで解決しようとしてしまい、我慢しがちになります。
これは、重症化をする一因となるでしょう。
SNSやブログでも良いので、誰かに気持ちを打ち明けてみてください。ただし、公開するということは不特定多数の人が閲覧するということです。
可能性として、心無い言葉を受けることもあることを理解しておいてください。
それを避けるために、以下の方法をおすすめします。ただし、完全に避けられるわけではないことは覚えておいてください。
- すでにSNSやブログをやっている方……仲の良い人にだけ記事を公開する
- 新しくSNSやブログをはじめる方……同じような心境の人のブログやSNSにコメントを残すことで交流を図る
また、積極的に見たいものではないため、ご遺体やご遺骨の写真は載せないことと、すぐにSNSやブログに報告する必要はなく、ペットの供養が落ち着いて心の準備が出来てからでも遅くはないことの2つも、注意点として認識しておいてください。
SNSやブログでの注意点
- 公開範囲によって不特定多数の人が閲覧すること
- 心無い言葉を受けることもあること
- ご遺体やご遺骨の写真を載せないこと
- 急いで報告する必要はなく、ペットの供養が落ち着いて心の準備が出来てからで構わないこと
周囲との感覚の不一致
ペットの話ができれば誰でも良いわけではありません。
ペットに対する考え方や、悲しみの度合いの違いにより精神的な支えをなくすこともあり得ます。
できるだけ同じ境遇を経験した人や、ペットに対する感覚が似通った人に話をすると良いでしょう。
また、ペットロスによって仕事や学校を休む際や、家事や趣味に力を割けられなくなったときに、理解を得られないこともあります。
しかし、それを怖がって自分の心にふたをすることや、他人に一切話さないことはペットロスの悪化につながります。
どうしても話せる相手や理解者がいないときは、カウンセリングを頼りましょう。※4
気持ちの準備の問題
急死や事故死など、ペットの死に対する準備ができていないときや、飼い主自身に辛いことがあったタイミングでペットを失ったときは、ペットロスが重症化しやすいと言えます。
これに関しては防ぎようがないため、ペットロスが辛いと感じたらカウンセリングを頼ってください。※3
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ペットロスの克服に費やす時間
ペットロスの克服に費やす時間は人それぞれです。
ただし、大手保険会社のアンケート調査によると、ペットロスが続いた期間を「3カ月未満」と回答した方が51.0%でした。
次いで、3カ月~6カ月未満と回答した方が12.3%を占めているため、だいたいの方が半年以内に克服していると言えます。※5
新しいペットのお迎えについて
新しいペットをお迎えすることは、ペットロスの軽減や克服につながることもあります。
新しい生きがいが生まれ、お世話をすることが行動力や意欲につながります。さらに、亡くなった子にしてあげられなかったことを後悔だけで終わらせず、活かすことができるからです。
ただし、新しいペットを迎えるには気を付けなければならないこともあります。
それは、タイミングです。
まずは必ず家族と話し合い、家族全員心の準備ができていることを確認する必要があります。
次に、ペットカフェや友達のペットなどを実際に触ってみてください。罪悪感が生まれないかどうか、お迎えしたい気持ちが強まるかどうかを確認してみましょう。
そして一番大切なことは、どのペットにも別れがあることを理解することです。
別れを一度経験している方ならば、心の準備ができているとも考えられます。ペットとの別れの際に、感謝の気持ちを伝えられるような準備は整っているでしょうか。
衝動的に新しいペットをお迎えしてしまうと、こうした気持ちの整理がついていないことが多く、亡くなったペットと新しいペットを比べてしまうこともあります。そうなると、お互いがストレスになり、体調を崩すこともあるでしょう。
多頭飼育の場合は相性の問題もあります。ペットロスの軽減を期待して、衝動的に新しいペットを飼うことは避けましょう。
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まとめ
- ペットロスの克服とは、ペットのことを忘れることではない
- ペットロスを乗り越えるには、否定・交渉・怒り・受容・解決の5つのステップを経る
- ペットロスの具体的な克服方法は、悲しんで別れを惜しむこと・思い出に浸ること・ペットとの思い出を整理すること・相談や話ができる人を見つけて話すこと・しっかりと供養をすること
- ペットロスが重症化する原因は、罪悪感や怒りを抱え込むこと・相談や話ができる人がいないこと・周囲との感覚の不一致・気持ちの準備不足
- ペットロスの克服に費やす時間は、多くの人が3カ月未満
- 新しくペットを飼うことは慎重に検討する必要がある
よくあるご質問
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Q
ペットロスはどうやって乗り越えたら良いですか?
Aペットロスを乗り越えるには、写真や思い出の品を飾るなどしてペットとの思い出を振り返り、ペットを思いながら悲しむことが一番大切です。他に、きちんとした供養をすることや話ができる人を見つけるなどが挙げられます。
-
Q
ペットロスはどのくらい続きますか?
A大手保険会社のアンケート調査によると、3カ月未満という回答が51.0%でした。ただし、これには個人差があり、1年以上続いている人もいます。
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Q
ペットロスで病院に行くとしたら何科ですか?
Aペットロスは精神に関係する病気なので、精神科で治療を行います。カウンセリングや投薬などを行い、回復に向かいます。
https://www.petsougi.net/feature/feature02.html
※2:<ペットの飼育経験のある391名に聞く「ペットロス」に関する意識調査> ペット飼育者の約7割が「ペットは家族と全く同等」「ほぼ同等」と回答 ペットロスを乗り越える方法第1位は「写真や思い出の品を飾る」(サンセルモsorae調べ)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000092150.html
※3:ペットロスとは?症状や周りの接し方、悲しみから克服する方法を解説
https://life.saisoncard.co.jp/family/pet/post/c58/
※4:ペットロスできついと感じたら?重症化する人の特徴と考え方を解説
https://omoshirocase.com/blog/28154/
※5:「ペットロス」8割が知っている! ペットを亡くしたことで不調を感じた人のうち、53.3%がペットロス無自覚
https://www.atpress.ne.jp/news/135597
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※1当社運営ペット葬儀サービスに対するお客様アンケート:詳細はこちら ※2 弊社運営ペット葬儀サービス全体のお問い合わせ件数
この記事の執筆者

竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
2017年よりライターとして活動中。子供の頃から動物好きで、猫、ハムスター、うさぎの飼育経験あり。現在はシーズー犬と一緒に暮らしている。犬は他の動物と比べて人間と密な生活になるため、ペット関係の資格を取得した。
運営元情報
サイト名 | : ペトリィ 小さな家族のセレモニー |
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運営会社 | : シェアリングテクノロジー株式会社 |
企業サイト | : https://www.sharing-tech.co.jp |
電話番号 | : 0120-220-175 (平日9:00~18:00) |
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