犬に多く見れられる"老衰"の兆候
老衰とは、加齢に伴うさまざまな身体機能の衰弱を意味します。
加齢とともに細胞も寿命を迎え、代謝や臓器、筋肉などに衰えや異常が見られるようになります。
犬にこのような老衰が訪れた場合、どのような症状が現れるのでしょうか。
ここでは、犬に多く見られる老衰の兆候を紹介します。
持病がある場合
老衰で身体のあらゆる機能が低下すると、病気にかかるリスクが高まります。
老犬では体力的に根本的な治療が難しいことから、治療には症状の緩和や進行を遅らせる方法をとることも珍しくありません。
そのため、老衰と持病を持ち合わせるケースが増えています。
歩けなくなる(寝たきり)
老衰の兆候として、足腰が弱り歩きにくくなるといった症状が多く見られます。
特に、犬は歳をとると歩行に困難が起こるケースが目立ちます。
犬が歩行困難になる原因は筋肉や関節、骨などの衰えや病気からくるものなどさまざまです。
運動量の多い犬ですが、足腰が弱ると散歩に行きたがらなくなることや動くことを嫌がるようになることがあります。
症状が進行すると、立ち上がることができなくなり、最悪寝たきり状態に陥ります。
寝たきりになると、食欲が低下したり内臓に負担がかかったりと、老衰の進行を促進します。
痩せる(食欲低下)
加齢により運動量が低下することや、老衰により胃腸の働きが弱まることから、食欲が低下するケースもよく見られます。
食欲が低下することで、体重の減少や毛並み、毛艶がボサボサになる、排泄の量や回数が減ります。
あまりにも痩せてしまうと、骨や神経が当たり痛みを感じやすくなります。
そのため、お気に入りの場所にはクッションやペットベッドなど柔らかいものを敷いてあげると、痛みを軽減することができます。
愛犬を看取る準備
愛犬の最期が近づいたら、看取りの準備をはじめる必要があります。
実際に愛犬が亡くなるまで、後のことは考えたくないと思う方もいるでしょう。
しかし、実際愛犬が亡くなった後は、悲しみから冷静な判断や行動ができなくなってしまうことがあります。
愛犬の最期は、心の準備と見送る順位を万全にしておくと、安心して看取ることができます。
ここでは、老犬を看取る準備として、しておきたいことを紹介します。
延命治療の有無
愛犬が危篤状態になった際、延命治療をするか否かを事前に決めておくと、いざという時の判断が楽になります。
延命治療には、チューブなどを使用した栄養補給や人工呼吸をはじめ、輸液や酸素吸入、強制給餌などがあります。
愛犬がすでに老犬であり老衰の場合、これらの延命処置をするのか選択が求められます。
もう歳なので必要ないという考えもある一方で、家族が到着するまで延命してほしいという考えもあるでしょう。
延命治療の必要性や費用をはじめ、延命治療ができるのかなどを、事前にかかりつけの獣医と相談しておくと安心です。
埋葬の手段と場所
亡くなった後は、愛犬を埋葬しなくてはなりません。
自宅に庭がある場合には、自宅に埋葬する方法が一般的です。
しかし、賃貸やマンションなど公共物件では庭がないため、業者に頼み火葬した後、ペット霊園に埋葬するか、自宅で遺骨を保管するなどいくつかの方法があります。
ペット火葬やペット霊園を利用する場合には、事前にパンフレットなどを取り寄せて詳細を確認しておくと安心です。
飼い主さんの考えや住んでいる環境などから、最善の方法を選びましょう。


ペットちゃんのもしもの時、慌てて悔いの残るお別れとならないよう、事前準備が必要です。ペトリィでは生前のご相談も可能です。






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用意するものリストを作る
いざ愛犬が亡くなると、悲しみから何をすべきか冷静な判断ができなくなってしまうことがあります。
そうならないためにも、事前に亡くなったらやること、用意するものリストを作っておくと安心です。
やることには、以下のようなことが挙げられます。
- 身体をキレイに拭いてブラッシングをする
- ドライアイスまたは保冷剤で身体を冷やす
- タオルにくるみ、棺代わりの箱に入れる(※)
- お花やおやつ、大好きなおもちゃなどを入れる
※ペット霊園などで、ペット専用の棺を購入することも可能です
用意するものには、以下のようなものが挙げられます。
- キレイで白いタオル
- 愛犬が入るサイズの棺または箱(段ボールなど)
- 保冷剤またはドライアイス
- お花
- おやつ
- おもちゃ、写真など(燃えるもの)
愛犬が息を引き取った後は、早い段階で身体をきれいにして冷やす必要があります。
また、ドライアイスやタオル、段ボールなどは事前に用意しておくと安心です。
棺に何を入れるかも、リストアップしておくことで探す手間が省けます。
時間と心に余裕があるうちに、このようなやることリストを作っておくと、突然その時が訪れてもパニックを回避することができます。
最期まで悔いの残らない介護をする
元気な時には気づかなかった飼育へのちょっとした手抜きが、愛犬が亡くなった後の後悔に繋がってしまうことがあります。
後悔はペットロスに繋がりやすいため、後悔しないようできることを全力ですることが大切です。
特に犬の介護には手間がかかりやすく、面倒やストレスに感じることもあるでしょう。
自分の時間をとられたり、排泄の世話をしなければならなかったりなど、犬の介護も非常に大変です。
しかし、介護の期間は限られています。
いずれ、必ず終わりが訪れます。
愛犬が亡くなった後、「あの時もっとこうしてやればよかった」と後悔しても、やり直すことはできません。
「できるだけのことはやった、悔いはない」と思えるように、今できること、すべきことは手抜きをせずに行うことが後悔をしないための秘訣です。
最期の前兆が来たら慌てず対応する
愛犬に最期の前兆が訪れた際、立ち会っている飼い主さんは、慌てず冷静な行動が望まれます。
最期は痙攣や呼吸困難など苦しむこともありますが、短い時間ですのでしっかりと見守ってあげましょう。
最期の時には、以下のような行動がおすすめです。
- 優しい言葉をかける
- 笑顔で接する
- 抱っこしてあげる
- 身体を優しく撫でてあげる
笑顔で優しくありがとう、偉かったね、大好きだよ、などといった声かけをしてあげましょう。
また、抱っこをして撫でてあげると、愛犬は安心することができます。
ほかにも、愛犬が好きだった言葉や歌、仕草などがあれば行ってあげましょう。
愛犬が安心して逝くためにも、悲しい顔や言葉は控え、不安にさせないよう努力が大切です。
まとめ
老犬を看取ることは、飼い主さんが愛犬にしてあげられる最後のお世話です。
たくさんの笑顔や喜び、楽しみ、生きる原動力を与えてくれた愛犬には、心から感謝と愛を込めてお別れをしたいですよね。
そのためには、愛犬に老衰の前兆が見られた時点で、看取りの準備をはじめておくことが大切です。
また、非常に大変でストレスになる介護も、今までの感謝を込めて精一杯お世話をしてあげることが飼い主さんの義務でもあります。
亡くなった後で後悔しないためにも、老犬の介護、看取りの準備をしっかりと行うことが大切です。

老犬を看取る際、必ず考えなければいけないことは、ペットの死についてということです。死ぬことを考えるのは不謹慎だというご意見もいただきますが、反対にペットの命のことを真剣に考えているのであれば考えなければいけないことだと私は思います。
万が一、亡くなってしまい悲しみに暮れている際には正常な判断をすることができないこともあります。後悔のない最後の旅立ちをする為にも、しっかりと然るべき行き先を考えてあげましょう。私たちは若いペットからシニアのペットまで、生前相談にも対応させていただいております。一人で悩まず、プロと少しでもお話するだけでも心が変わります。些細なことでも頼っていただける存在でいたいです。