セキセイインコが死ぬときの前兆や死因について～生活における注意点

セキセイインコが死ぬとき甘えてくる？死の前兆や死因とは

セキセイインコには死の前兆があります。それは、以下の７つです。
これらの前兆があったら、慌てずに獣医師に相談してください。

甘えてくる

ゲージに入るのを嫌がるほど、飼い主にくっついて離れないセキセイインコもいます。
普段はそれほど甘えて来ない子でも、死の前兆として甘えることもあるため、助けを求めているのかもしれません。※1

止まり木につかまっていられない・止まり木にしゃがむようにする

セキセイインコが弱ってくると、止まり木にしゃがむような姿勢を取ることもあれば、ゲージの床にうずくまることもあります。

無理に止まり木に乗せると落ちることもあるため、止まり木の位置を低くするか、外してしまいましょう。※2

羽が乱れる

インコはとてもきれい好きで、毎日羽のお手入れをしています。
しかし、からだが弱ってくるとお手入れの余裕がなくなり、羽が乱れ、パサつきます。※1

羽を膨らませクチバシを背中の羽にうずめる

インコは寒いときに羽を膨らませて体温維持をしますが、室内が最適な気温に保たれているのにこうした動作をしているときは、弱っている証拠です。

このようなときは通常の温度よりも高めにして、しっかりと暖めてあげてください。
そのためにも、インコ用の保温電球を準備しておきましょう。※2

食欲がない

インコは半日から1日エサを食べないと命の危険があります。
年齢により少しずつ食欲が衰えるのは普通のことですが、急に食欲が落ちたときや、全くエサを食べていないときは、死の前兆の可能性があります。※1

動かない、反応が悪い

ゲージに近づくとすぐに寄ってくるようなインコが全く動かないときは、病気か死の前兆です。※1

嘔吐や下痢

インコが死ぬ直前、嘔吐や下痢をすることがあります。
からだが汚れたら、きれいにしてあげてください。※1

セキセイインコに多い病気

セキセイインコに多い病気は沢山あります。
セキセイインコを病死させないためには、予防と対策、定期的な健康診断です。

特に危険な病気や人畜共通の病気などを解説しますので、「おかしい」と感じたらすぐに獣医師に相談してください。

マクロラブダス症（メガバクテリア症）

マクロラブダス（メガバクテリア）とは、胃に生息する真菌（カビ）の一種です。
多くの鳥が感染しますが、セキセイインコが最も重い症状だと言われています。

主な感染経路は親から子へ与えられる吐き戻しのエサですが、多羽飼いの鳥の便を食べることや、オスの求愛時の吐物から感染することもあります。

このマクロラブダスによる症状は、免疫力により抑えられているため、免疫が落ちることで発症します。

急性の場合は、突然嘔吐や黒色便などの胃炎症状を起こし、体を膨らませて数日以内に死亡します｡セキセイインコは特にこの急性の症状に気を付けてください。

慢性の症状は吐き戻し、未消化便・粒便、胃炎、食欲不振、元気消失です。胃腸の消化機能が落ちることで食べても痩せていく症状もあるでしょう。
進行すると胃潰瘍や胃出血を起こし、血液の混じった黒色便や貧血が起こり、激しい出血だと突然死します。

環境の変化やストレスを回避させ、体重減少を見逃さないでください。
セキセイインコの体重は30?35gが普通です。※3
体重が25g以下になると回復が難しくなるので、数日ごとに体重測定をしてください。※4

ビタミンB１欠乏症（脚気・脚弱症・チアミン欠乏症・多発性神経炎）

巣立ち後の子供のインコを粟玉のみで飼育すると、この病気にかかります。粟玉を作る過程で、ビタミンB１が欠乏してしまうからです。

症状は、脚のしびれ、筋肉の痛みが片足から両足へと進行します。
そこからさらに進行すると、かかとをついて歩くこともあれば、嘴や翼を使って移動することもあります。
その後、呼吸困難や循環障害、脳神経障害によりけいれんを起こして死亡します。

予防のために、幼若鳥用のペレットやパウダーフードを与えるようにしてください。※4

オウム類のくちばし・羽毛病（PBFD）

オウム類のくちばし・羽毛病は、PBFDウイルスによる感染症です。
病鳥の便や羽毛ダスト、汚染環境によって感染します。

症状は、羽毛の異常（変形、血斑など）、脱羽、下痢などで、リンパ系器官が障害が起き、免疫不全になることもあります。また、生まれたばかりのインコの場合は、死亡することもあります。

マイコプラズマ病（MYC）

これは、マイコプラズマ菌による呼吸器疾患です。
病鳥との直接接触や、病原体を含む飛沫物やほこりを介して感染しますが、介卵による感染もあります。

症状は結膜炎、鼻炎、副鼻腔炎、気管支炎、肺炎（気のう炎）で、セキセイインコは結膜炎や副鼻腔炎が慢性化することもあります。※4

疥癬（カイセン）症

カイセンとは、肉眼では見えないほど小さいダニの一種です。
このダニは、セキセイインコの皮膚に穴を開けて生活し、メスは皮膚に潜って産卵します。インコ同士の接触により伝染するため、浸食されたらすぐに隔離しましょう。
口角や脚のうろこが最初に浸食されやすく、徐々に住処を広げます。

症状はかゆみで、重度の場合は衰弱死をします。※4

鳥ポリオーマウイルス感染症（APVD）

この病気はさまざまな鳥がかかりますが、「セキセイインコのヒナ病」と言われるほど、セキセイインコの飼い主が気を付けなければならない病気です。

症状は、羽の異常、皮下出血、肝肥大、腹水、浮腫です。

APVDは死亡率と感染力が高いため、多羽飼いのときは特に注意をしてください。
セキセイインコ以外の鳥が感染すると、ウイルスを保持し続けます。セキセイインコのヒナの場合も、感染して無症状だった場合、ウイルスを保持し続け、免疫力が落ちた途端に発病することもあります。免疫力の強化に勤めましょう。

また、ヒナのうちは他の鳥と接触させないことも大切です。※5

腺胃拡張

セキセイインコの場合は、慢性胃炎や胃癌などの病気から、二次的に起きる可能性がある病気です。
そのため、他の病気にかからないことが予防につながります。

症状は、食欲不振、食滞、嘔吐、緑便などで、慢性化すると症状が見られないこともあります。胃の機能が落ちることでたんぱく質を消化できなくなり、食べてもどんどん痩せていき、死亡する病気です。体重減少にはくれぐれも注意をしてください。※4

クラミジア症（オウム病・CHL）

クラミジア症は、クラミジア・シッタシの感染による人畜共通感染症です。
病鳥の便や分泌液、羽毛ダスト、汚染環境によって感染し、潜伏期間は数日～数週以上あります。※4

症状は、羽の乱れやパサつき、食欲不振、下痢などが一般的ですが、鼻炎、結膜炎などの呼吸器症状や肝炎症状で、死亡することもあります。※6

インコが突然死する原因に～身近なものによる中毒について～

セキセイインコの病気以外の死亡原因は、中毒です。
セキセイインコが中毒を起こすものは金属やタバコ、アロマ、アボカド、テフロン加工されたものなど身近なものに多いため、セキセイインコを飼う際は、事前に把握しておきましょう。

特に、鳥は金属を食べる習性があります。
砂嚢に石や砂、金属片などの固いものをため、消化の助けにするためです。

金属を食べすぎると金属中毒を起こし、突然死を招きます。金属中毒はからだ中の組織に影響を与え、特に血液、造血器系、神経系、消化器系、腎臓、肝臓に強い症状を発症させるからです。

金属の中でも鉛は身の回りによくあるため、口に入れやすい金属ですが、セキセイインコの場合鉛は特に進行が急速で、発症してから48時間以内に死に至ります。
例えば、以下の物の一部に鉛が使われています。

• 防音材
• クリスタルガラス
• カーテンや釣りの重り
• おもちゃや金属製アクセサリー玩具、アクセサリー
• 家具に使われる金属の一部
• はんだ
• バッテリー
• ニスやラッカーなどの塗料
• 古いワインのキャップシール
• 古いペンキ（古い金庫などにペンキとして使われている可能性があります）
• アンクルウェイトの中身
• 鉛の入ったガソリンの煙
• 昔の漆喰

壁や吸音材など内装材として鉛シートを使用することもあるため、DIYなどで建材などを扱う際は特に注意をしてください。

もちろん、鉛以外にもセキセイインコに有毒な金属は沢山あります。
電気コードの銅線をかじることによる「銅中毒」や、メッキに含まれる亜鉛による「亜鉛中毒」もあります。

他に、アクセサリーや調度品、自動車のインテリアや外装、家電製品の外装部分、建築資材や機械部品、パソコンなどの電子部品になど様々なものにメッキは使われています。

また、セキセイインコはキッチンにある調理器具でもテフロン中毒を発症します。
テフロン加工されたものは調理器具を筆頭に、アイロン、ヒーター、ヘアアイロンなどがあります。
テフロンは、表面が200℃以上に加熱されると毒性ガスを排出します。
これを吸引すると治療を待てずに突然死を招くため、フライパンなどの空焚きや加熱式の家電には特に注意をしましょう。※7

金属中毒やテフロン中毒の症状や、他の中毒については以下の表にまとめました。参考にしてください。

金属
元気喪失、食欲低下、嘔吐、便の緑色や黄色化、尿がピンク色、脚の麻痺による跛行、握力低下、犬座姿勢、止まり木からの落下、興奮、パニック、沈鬱、けいれん、多尿、足の麻痺など

テフロン
数分で発症し、数十分で呼吸不全や突然死※7

ガス
一酸化炭素を含む排ガス（ガス器具やファンヒーターに注意）元気喪失からの即死※7

アボカドやサトイモ科観葉植物
アボカド：摂取後24時間以内に発症、死亡
サトイモ科観葉植物（ポトス、クワズイモ、ディフェンバキアなど）：口腔内に痛み

アロマの成分・揮発する油・ディフューザーのカビ
動きが鈍る、食欲不振、肺炎、呼吸器不全、急死※2

タバコの煙
呼吸器症状、嘔吐、下痢、けいれん発作、急死など

蚊取り線香・お香・線香の煙
呼吸器障害、突然死※7

チョコレート
循環器及び中枢神経に障害

アルコール飲料
呼吸停止、心停止

ひまわり・アサノミなど脂肪の多い種子の過食（シードジャーキー）
脂肪肝、肥満、下痢

水
幼鳥への挿し餌時に、水分の多いまま与え続けることで発症
脳障害、消化器障害、腎不全などを起こして死亡

カビ・トウモロコシ・落花生・ピスタチオ・アーモンドなどから検出されるアフラトキシン
大量摂取で肝不全、腎不全、胃腸管出血

アスファルト
道路工事でアスファルト類が加熱されることで排出される粒子の吸入により発症
粘膜刺激によるくしゃみや咳、結膜炎、呼吸困難、急死

インコの供養方法について

ペットであるセキセイインコが死んでしまったら、しっかりとした供養をしてあげましょう。

火葬

火葬はペットの火葬業者に依頼してください。ご遺骨の返骨も可能ですし、返骨を希望しない場合は、火葬業者がご遺骨を供養します。

火葬業者は、飼い主の自宅に来てくれる「訪問火葬」と、霊園などの火葬施設で行われる「霊園火葬」があります。

こちらの記事もご覧ください

• 

  ペット火葬2021.08.06

  インコ・小鳥が死んだら火葬はできる？遺骨は残るのかや供養方法を紹介

• 

  ペット火葬2022.09.22

  ペット火葬は無料でもできる｜自治体でしてくれることと安くても安心な火葬方法

土葬

土葬の場合は私有地に埋葬してください。遺体をそのまま土葬すると、悪臭や害虫・害獣・雑菌が発生します。石灰と一緒に埋葬することである程度防げますが、できるだけ火葬後のご遺骨を埋める方が、被害は少なく済むでしょう。

また、公園や山、学校、道端の樹木の根元など、公共の場所には埋めないでください。
子供や犬猫が掘り返すことも考えられますし、セキセイインコがゆっくり眠ることが出来ないからです。

こちらの記事もご覧ください

• 

  ペット葬儀2021.07.02

  ペットを土葬する方法～土葬は法律や注意点を知ってから行おう～

プランター葬

集合住宅の場合など、埋められる私有地がない場合は、プランターにご遺体やご遺骨を埋葬することも可能です。引っ越しの折も一緒に連れていけるメリットがあります。

ただし、土葬と同じく悪臭や害虫・害獣・雑菌の発生は否めません。ベランダにプランターを置く場合は、カラスや野生動物に注意をしましょう。※1

こちらの記事もご覧ください

• 

  ペット葬儀2021.08.24

  プランター葬とは？向いているペットや必要な道具や注意点、埋葬方法を解説

インコの寿命と長生きさせるコツとは～生活における注意点～

セキセイインコの平均寿命は10~12年ですが、ギネス記録を持つセキセイインコの寿命は29歳です。
生まれ持ったからだの丈夫さだけではなく、飼い主の努力や環境によっては元気に長生きさせることも可能でしょう。※1

そのためにも、セキセイインコを飼うにあたり、以下のような生活における注意点を事前に確認しておいてください。そして、飼育中も常に情報を集める癖をつけましょう。

• 適正体重にする食事と適切な栄養摂取、適度な温度管理
• 放鳥中は目を離さず、事故を防ぐ
• ガスファンヒーターを使用する際はこまめに換気する
• 加熱式家電はできるだけインコのいる部屋で使用せず、キッチンにインコを入れない
• 人間の食べ物を与える前にセキセイインコにとって害がないか調べる

まとめ

• 病気は予防と対策、定期的な健康診断である程度防げますが、体調の変化があったら慌てずに獣医師に相談する
• セキセイインコは、身近なものによる中毒死が多く、鉛などの金属類。アロマ、タバコ、線香などの煙。食べ物ではチョコレート、アボカドなどは危険で注意を怠らない
• セキセイインコの供養方法は、火葬・土葬・プランター葬の３つ
• セキセイインコの平均寿命は10~12年で、ギネス記録は29歳

よくあるご質問

• Q

  セキセイインコ 寿命はどのくらいですか？

  A

  セキセイインコの平均寿命は10～12年ですが、ギネス記録は29歳です。

• Q

  セキセイインコが死んだらどうすれば良いですか？

  A

  まずは、セキセイインコを箱に入れて、涼しい部屋で安置をしてください。そして、火葬・土葬・プランター葬の中から供養方法を選びましょう。

• Q

  セキセイインコの中毒症状はどんなものですか？

  A

  中毒の原因にも寄りますが、即死や呼吸不全、嘔吐、下痢、けいれん、パニック、止まり木からの落下、多尿、便の緑色や黄色化、尿がピンク色、循環器及び中枢神経の障害などが挙げられます。