2021.08.16
2023.09.11
ペットの遺骨は、骨壺のまま長年自宅に置いてもいいの?保存方法と手元供養について
ペットのご遺骨は手元供養が可能です。それには期限はありません。飼い主様が亡くなるまで続ける方もいれば、手元供養を数年続けた後に納骨や散骨など、他の埋葬方法を選ぶ方もいます。どちらが良いかは飼い主様次第であり、正解はありません。この記事で今一度考えてみましょう。
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この記事の監修者
齋藤 鷹一氏
大森ペット霊堂
前代表 現アドバイザー
特定非営利活動法人SPA代表理事
齋藤 鷹一氏
大森ペット霊堂
前代表 現アドバイザー
特定非営利活動法人SPA代表理事
ペット葬儀業界の透明化を目指し、2017年より大森ペット霊堂で代表を勤めた。動物への愛情を訴え続け、現在は命を救う活動に専念をする。亡くなった命にも生きている命にも同等の尊厳を持たなければペットの仕事をしてはいけないと感じている第一人者。
ポイント
ペットの遺骨は、骨壺のまま何年自宅で供養をしても問題ありません。
ただし、安置方法を間違えると遺骨が痛むことがあります。直射日光があたる場所や結露が発生する窓際、水回り、押し入れに置かないこと・素手で遺骨に触らないこと・吸湿剤を入れて定期的に交換することが条件です。そして、骨壷のまま長く安置しておくとペットロスが長引く可能性があることや、飼い主の入院や逝去によって供養してあげられなくなるデメリットも考慮しておきましょう。
ペットを火葬した後のご遺骨の保存方法~ご遺骨の大敵はカビ~
近年、ペットの火葬が当たり前になっていますが、火葬した後のご遺骨の供養方法にはこれといった決まりがありません。
ご遺骨の供養方法は火葬してから考えようと思っているとなかなか進まず、長い間自宅での供養になることも考えられます。
そういったときに気になるのがご遺骨の保存方法であり、カビです。
カビはご遺骨にとって大敵です。
そのため、骨壺には以下の対策をしておいてください。
- シリカゲルや炭などの吸湿剤を入れておき、定期的に交換すること
- 直射日光があたる場所や結露が発生する窓際、押し入れの奥、水回りの近くに骨壺を置かないこと
- 素手でご遺骨に触ると手指の脂やタンパクがご遺骨につき、カビの栄養になるため新しい手袋をして触ること
これ以外にも、ご遺骨のカビ予防としてフタと本体の隙間にテープを貼ることも可能です。ただし、この方法ではフタを開けにくくなるので、それでも良いという方は行ってみてください。
また、カビは骨壺カバーに生えることがあります。
骨壺カバーにも定期的に風を通し、必要なら交換をしましょう。(※1)
こちらの記事もご覧ください
自宅でお骨を置いておくと、ペットの魂が供養できないと言われることが、ペット葬儀社側からも、友人からもあるかと思います。
ですが、その子と過ごしてきたのは家族の皆様です。家族の皆様で納得をして自宅に置こうと決めたことを尊重してください。
ずっと近くにいた家族の考えたことが、何よりペットの為になるでしょう。
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ペットのご遺骨は自宅で供養して大丈夫なの?
ペットのご遺骨を自宅で供養することは何の問題もありません。
ただし、前述の通りカビにだけは注意をしてください。
自宅でご遺骨を供養することを手元供養あるいは自宅供養と言います。
ご納得の行く特別なお見送りの形
「ありがとう」が伝わる葬儀にする。そんなお見送りで悲しみを少しでも和らげるよう、 私たちはご遺族を支えていきたいと考えています。
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手元供養(自宅供養)のメリットデメリット
手元供養は方法も期間も自由です。それだけに、メリットデメリットがはっきりしています。
まず、手元供養のメリットは以下の通りです。
- それほどお金がかからない
- ペットが亡くなってからも身近に感じられる
- ペットのことを理解している飼い主様自ら供養してあげられる
- ペットにとっても慣れ親しんだ場所で眠ることができる
続けて手元供養のデメリットを確認してみましょう。
- 気持ちの整理がつきにくく、ペットロスが長引く可能性がある
- 永遠に供養してあげることはできない
- 来客時にご遺骨がお客様の目に入ることがある
手元供養は飼い主様が自由に行う供養方法なので、メモリアルグッズの購入も自由です。
筆者はお墓を買うまで手元供養をしていましたが、火葬時に骨壺カバーがもらえたため、
特にグッズは購入していません。
もちろん、供養台やペットを模したぬいぐるみなどのメモリアルグッズは人気です。どちらが良いかは飼い主様次第なので、無料で済む場合もあれば、数万円単位でグッズを揃える飼い主様もいます。
そして、ペットが亡くなってからも一緒にいられるということは、喜びである反面、なかなか死を受け入れられず、ペットロスが長引く方もいます。
しかし、飼い主様が入院や逝去で自宅から離れた際に、ペットのご遺骨が無縁仏になってしまう可能性が高く、永久に供養してあげることはできません。
最悪の場合、遺品整理のときにご遺骨をゴミとして捨てられる可能性もあります。
そのため、手元供養の期間に悩むこともあるでしょう。
手元供養の期間は自由です。
飼い主様が亡くなるまで、あるいは数年間手元供養をする方もいれば、人間と同じく四十九日に納骨まで行う方もいます。
長年に渡る手元供養は、長い間ペットと一緒にいられる反面、カビが生える可能性やペットロスが長引く可能性、逆に供養をしなくなる可能性も考えられるでしょう。
更にはご遺骨が災害に遭う可能性も高くなります。
特にご遺骨は、災害に遭ってしまうと取り返しがつきません。
筆者がお墓を購入しようと決意したのも、東日本大震災がきっかけです。
2011年3月11日は帰宅できず、次の日帰宅すると棚の中の本などが散乱し、時計なども落ちていましたが、ご遺骨だけは奇跡的に倒れていませんでした。
ほっとした反面、この状況でご遺骨が立っていることは幸運でしかないことを思い知りました。
お墓にさえ納骨すれば倒れる可能性は極端に減りますし、万が一倒れていても散乱して紛失することもありません。
もちろん、水害はどのような供養方法でも免れない可能性がありますが、しっかりとした場所で供養することの大切さを感じたのも事実です。
反面、手元供養を数年で切り替えてしまうと、亡くなったペットを手放した感じに苛まれたり、寂しさが募る可能性も否めません。
そのため、手元供養の期間については飼い主様自身で決めて頂くことをおすすめします。
例えば配偶者などに「いつまで手元供養を続けるのか」と言われたとして、それをきっかけに他の供養方法に切り替えられるならそれで構いません。
ただし、切り替えるか否か悩んでしまって答えが出てこないような場合は、やはり整理がつくまで手元供養を続けても良いのではないでしょうか。
大切なのはご自身の気持ちです。無理に別れて辛くなる程なら、もう少し傍にいてもらい、きちんと供養と管理を行ってあげてください。
もしくは、手元供養とそれ以外の供養方法の両方を叶える「分骨」という手段もあります。これについては詳しく後述しましょう。
手元供養の方法
ペット供養台や仏壇を購入して、きれいに整えるのも良いですし、自分で手作りするのも良いでしょう。
筆者は写真と骨壺を棚の上に置き、毎日水とカリカリ、鰹節などをお供えしていました。
日本の古くからある習慣にも、お墓と仏壇両方を持つことがありますが、それと同じような感じです。
ちなみに、お墓を買ってからも写真を飾ってのお供えは続けています。
愛するペットが安心して眠れるよう、居心地の良い場所を作ってあげましょう。
ただし、前述の通り結露が多い窓の傍や直射日光が当たる場所は遺骨の保存の為にもやめてください。
供養方法について
手元供養以外にも、ご遺骨の供養方法があります。
それは、埋骨・散骨・納骨です。
埋骨
埋骨は火葬した後のご遺骨、あるいはご遺骨を粉骨し粉状にしたものを土に埋める葬送方法です。
ご遺体をそのまま土葬すると、臭いや害獣・害虫の発生が懸念されるうえ、土壌・水質汚染まで発展することも考えられます。
そこで、ご遺体を火葬してご遺骨にしてから埋骨することで、臭いや害獣・害虫の発生は特に抑えられます。更に、粉骨してご遺骨を粉状にしておけば、土に還る時間もより短くなります。
これにより近隣に迷惑をかけることも少なくなるため、土葬よりは埋骨の方がやりやすい方法となるでしょう。
また、自宅の土地に埋骨することができれば、手元供養とも言えるため、ペットにとっても安心できる供養方法のひとつです。
ただし、自分の土地で行うことや、引っ越しの予定が無いことなど、条件は多いです。
散骨
散骨はご遺骨を粉骨してから、海や墓地などで行う必要があります。
ペットの散骨に関しては一部の自治体を除いて明確な決まりがないので、散歩コースや自宅の庭などに散骨しても問題ないことがほとんどです。
ただし、散骨した後のことを想像してください。
誰かがご遺骨を踏んでしまうかもしれませんし、猫や犬が舐めるかもしれません。近所の住民がそうと知らずに箒で掃除し、ゴミ箱に入れられることも考えられます。
散歩コースやペットが好きだった場所への散骨を推奨する記事もありますが、他の人の迷惑や、ペットのご遺骨が掃除されてしまうことも考えるとおすすめはできません。
自宅の庭に散骨したとしても、近隣にご遺骨が舞っていくこともありえますので、配慮が必要です。
そのため、散骨はペットの散骨が可能な霊園や、遠洋での海洋散骨がおすすめです。
山や林、森に散骨するなら所有者に許可を取りましょう。
水源や川、湖、沼などは水質汚染に繋がる可能性が高いため、絶対にやめましょう。(※2)
納骨
納骨はお墓や納骨堂、合祀墓などで行いますが、合祀墓の場合、粉骨が必要になることもありますので、注意をしてください。
ご自身でお墓を建てる場合は安くはありませんが、合祀の場合は10,000円前後で可能です。
手元供養と他の埋葬方法の両方を叶える分骨
手元供養をやめたくはないけれど、やっぱりしっかりとした供養をしてあげたい、ご遺骨がダメになるのは避けたいけれど、一緒にいたいというときは、分骨を考えてみてください。
分骨は名前の通りご遺骨を分けることを言います。これは、人間の場合にも行うことです。
筆者の先祖代々のお墓も、元々は田舎と今住んでいる土地とで分骨していました。今住んでいる土地のお墓には「竹田家分墓」と記されていましたが、今住んでいる土地に永住することが決まってから一緒にしました。
分骨は古くからある正式な供養方法ですし、供養方法によっては後からご遺骨を元に戻すことも可能なので、安心して行ってください。
ご遺骨の一部を納骨し、一部を粉骨してネックレスやお守りにして持ち歩くのも良いですし、一部を手元供養するのも良いでしょう。
そうすれば、手元供養をしながらの永代供養も可能になりますし、離れたくないという飼い主様の気持ちも尊重することができます。
一番大切なのはペットのことを思いやることと家族との相談
ここまでさまざまな供養方法をご紹介しましたが、供養方法を決める際に必要なことがあります。
それは、亡くなったペットのことを思いやることと、家族と相談することです。
あなたのペットはどのような性格でしたか?
今行っている供養方法、あるいは行おうとしている供養方法は、ペットが安心して眠れる方法でしょうか?それは、飼い主様が一番ご存じのはずです。
あなたのペットはどんな子でしたか?
人間よりも他のペットと仲良くする子だったなら、ペット霊園や合祀が良いかもしれません。
飼い主様にべったりで、甘えん坊だったなら、しばらくでも手元供養してあげると喜ぶかもしれません。
1人でいるのが好きで、食事以外は自分の場所にいたのなら、お墓や納骨堂が良いかもしれません。
飼い主様自身のお気持ちも大切ですが、それと同じだけ、ペットのことを思いやることも大切です。
家族と相談し、埋葬方法を決めよう
飼い主様自身の気持ちとペットのことを考えたうえで、家族ともよく相談をしましょう。
特に、個別墓を用意するならお金がかかります。
人間と一緒に眠れるお墓を希望する場合は特に、家族の合意が必須です。
納骨堂にするにしても、数年で永代供養に回るタイプもありますので、何年経ったら永代供養にするかなど、相談事は尽きません。
家族が近隣や自宅での散骨を望んだ場合は、その方法のメリットとデメリットをきちんと説明する必要もあります。
ペットの供養方法は、必ず家族の同意を得てから決めましょう。
結論がなかなか出ないときは、その分手元供養をしっかり行ってあげてください。
ペットを不安にさせないことも、飼い主様の大切な務めです。
納骨しないと供養できない、その子の魂が成仏できない。これは多くのペット霊園事業者が提言していることです。
しかし、自身のペットのことを何も知らない人に言われることより、ずっと寄り添っていた自分たちの望む形を尊重してください。
私の経験では、自宅で何年も一緒にお骨と過ごし、気持ちに整理がついてから納骨をしました。
供養の形は人ぞれぞれです。正解があるわけではございませんので納得のいくペットの供養方法をお決めいただければと思います。
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まとめ
- ご遺骨は湿気を吸いやすいうえ、陶磁器や金属製の骨壺は湿気が溜まりやすいため、定期的な管理が必要
- ご遺骨を手元に置く場合は定期的に骨壺のフタを開けシリカゲルや炭などの吸湿剤を入れておくなど、カビ対策が必須
- 骨壺カバーにも定期的に風を通すこと
- 手元供養はやり方も期間も自由
- 手元供養はお金がかからずペットと一緒にいられるが、ペットロスが長引く可能性やペットが無縁仏になる可能性も否めない
- 手元供養以外のご遺骨の供養方法は埋骨・散骨・納骨
- 散骨はマナーを守って、周りの人たちの生活をよく考えて行うこと
- 大切なのは自分の気持ちだけではなく、ペットを思いやることと家族と相談すること
- ペットを不安にさせないことも飼い主様の務め
よくあるご質問
-
Q
ペットの遺骨はどうすれば良いですか?
A自分の土地での埋骨・海や墓地での散骨・お墓や納骨堂、合祀墓納骨、手元供養からお選び頂けます。
-
Q
ペットの遺骨は納骨をしないで家に置いておいても良いの?
A問題ありません。
-
Q
ペットの遺骨をアクセサリーにすることはできますか?
A可能です。この場合は一部の遺骨を粉骨しアクセサリーにし、残りの遺骨を納骨や埋骨などをして供養をする分骨という供養方法になります。分骨は古くからある供養方法です。
※1:意外と知らない?長い間遺骨の入った骨壷を保管しておくと…
https://fukufukuyama-petsougi.com/kotutubo-hokan(参照2021-8-16)
※2:刑法 第143条第1項(水道汚染)
https://thoz.org/law/%E6%98%8E%E6%B2%BB40%E5%B9%B4%E6%B3%95%E5%BE%8B%E7%AC%AC45%E5%8F%B7/%E7%AC%AC143%E6%9D%A1%E7%AC%AC1%E9%A0%85/(参照2021-8-16)
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この記事の執筆者
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
2017年よりライターとして活動中。子供の頃から動物好きで、猫、ハムスター、うさぎの飼育経験あり。現在はシーズー犬と一緒に暮らしている。犬は他の動物と比べて人間と密な生活になるため、ペット関係の資格を取得した。
運営元情報
サイト名 | : ペトリィ 小さな家族のセレモニー |
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