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インタビュー

2023.04.07

2023.09.11

飼い主の想いに寄り添う獣医師。丸田香緒里先生にインタビュー

「Animal Life Partner(アニマルライフパートナー)」は、シニアペットの介護・ケアについて、獣医師がカウンセリングや往診を行うクリニックです。人と動物が最期まで笑顔でいられるようサポートされている、院長・獣医師の丸田香緒里先生にご活動内容を伺いました。

飼い主の想いに寄り添う獣医師。丸田香緒里先生にインタビュー

神奈川県藤沢市湘南台にある「Animal Life Partner(アニマルライフパートナー)」は、シニアペットの介護・ケアについて、獣医師がカウンセリングや往診を行うクリニックです。

人と動物が最期まで笑顔でいられるようサポートされている、院長・獣医師の丸田香緒里先生にご活動内容を伺いました。

病院勤務医から「飼い主に近い存在の獣医師」へ

本日はよろしくお願いします。丸田先生が「アニマルライフパートナー」をオープンされたきっかけを教えてください。

丸田先生:大学卒業後は、動物病院で勤務していました。そこで感じたのが、動物病院は多忙で、飼い主様から伺った病気の治療をするだけになってしまいがちだということです。特に軽傷の子やワクチンを打つだけの子は、必要な処置を終えたら飼い主様とは少しだけ話して終了となります。

でも、もしかしたら飼い主様は潜在的な不安をもっていて、相談したいなと思っていらっしゃることがあるのではないかと感じていました。

最近、ペットのごはんに関しては注目されてきているのでご存じの先生も増えてきた印象ですが、獣医師は基本的に医療しか学びません。そのため「こういう手作り食をやりたいんだけどどうでしょうか」と飼い主様が聞くと、獣医師から「それはやめてこっちのドッグフードにしてください」と言われることが多いのです。

市販のドッグフードについても、病院で扱う療法食の知識が中心のため、飼い主様からの質問に対して充実した答えを出せていないと感じていました。

これでは飼い主様の想いとマッチングしないのではないかと考え、一度病院を離れ、飼い主様からのご相談が多いごはんやマッサージについて、またアロマなど代替医療とよばれる領域を学び始めたんです。

飼い主様の想いを尊重するために、医療以外の面も知ろうと考えられたのですね。

丸田先生:ペット栄養管理士という資格をとったり、一般の飼い主様が参加されるマッサージセミナーなどに私も一人の飼い主として参加してみたりしてみました。すると飼い主様から「このマッサージをやりたいんだけど病院の先生に相談してもダメって言われることが多いのよね」といった声がありました。

飼い主様やりたい想いもわかりますが、その一方で本当にやらないほうがいいことを「たぶん大丈夫」と考えてやってしまうケース、あるいは本当はやったほうがいいことをやらずにいるケースもあるだろうと思いました。

そこでまず私は、カウンセリングという形で飼い主様のお話を聞いたり、セミナー形式で市販のドッグフードの選び方などをお伝えするようになりました。

飼い主と動物たちの関係性も大切

最初はカウンセリングだったのですね。それがクリニックオープンにつながったのでしょうか。

丸田先生:カウンセリングを2年ほど続け、2012年にアニマルライフパートナーを立ち上げ、2年程カウンセリングやセミナーを行っていました。その頃から「こういう先生に診察もしてもらえたらいいのに」と言われることが多くなったので、2015年頃から往診を始めたんです。

アニマルライフパートナーでは「三つの理念」を掲げていらっしゃいますね。

丸田先生:「人と動物が最期まで、笑顔でいられるようサポートします」「病気のケアを病院任せではなく、飼い主様参加型ケアを広めていきます」「獣医師が、いつでも飼い主様のそばにいられる存在になります」の3つです。

飼い主様が聞きたいのに聞けない、話したいのに話せないことがないようにするのが大切だと考えています。

私たち獣医師は医療でサポートしますが、飼い主様が我が子から受け取るメッセージもあるはずです。両者のできることをマッチングさせることが、ペットと幸せに暮らすにはすごく大事だと思っていますので、何でも相談しやすい獣医師になることを理念として活動しています。

「飼い主様参加型ケア」について、どのような例があるのでしょうか?

丸田先生:初めてペットと暮らす方にとっては、獣医師が言ったことが全てになってしまいやすいと思います。「この薬をがんばって飲ませてください」とだけ言われると、その子が嫌がった場合に飼い主様はどうしていいかわかりません。

薬や注射といった処置だけだと、飼い主様ができることが何もなくなってしまいます。目の前で我が子が苦しんでいるにもかかわらず、言われたことしかできないのはつらいことですよね。

飼い主様参加型ケアは「吐かないのであれば、こんなごはんをあげてみてください」とアドバイスをしたり、後ろ足が動かないのであれば「こういうリハビリをやってみてはどうでしょう」とお話したりするイメージです。

その子に寄り添った治療をできることで飼い主様の満足度が変わりますし、ワンちゃんたち猫ちゃんたち自身にとっても、飼い主様が「嫌な薬を飲ませる人」から「気持ち良いことをやってくれる人」に変わるのではないかと思います。

なるべく飼い主様と動物たちとの関係性を良くしながら治療していくというのも飼い主様参加型ケアなのではないかと思っています。

往診では「まず話を聞く」

飼い主の想いに寄り添う獣医師。丸田香緒里先生にインタビュー

往診をされる際の基本的な流れについて教えてください。

丸田先生:往診には、かかりつけ病院での治療を往診に切り替えた場合と、飼い主様の体力面やペットの体重等の理由で病院に行けず、自宅で様子を見ている場合の大きく2パターンがあります。

かかりつけの病院がある場合には病状の経緯がありますから、診察の前に30分ほどかけて、これまでの経緯現在の治療内容についてお話を伺っています。

かなりじっくり時間をとられるのですね。

丸田先生:そうですね、じっくり伺います。特に猫ちゃんは知らない人が来るだけで緊張してしまいますので、「お母さんのお友達かな」と思ってくれるようにまずはお話をしています。

また、初めて伺うご家庭は飼い主様のお考えも分からないので、私が話すより飼い主様からなるべくお話ししていただけるようにオープンクエスチョンを心がけています。

かかりつけ病院で何か不満があって往診利用に変えられるという方もいらっしゃいますので、同じような思いを飼い主様にさせてしまっては意味がありません。飼い主様それぞれで想いや治療方針は異なりますから、なるべくそれを聞き出せるようにお話を伺っています。

診察中については、往診ならではのメリットはありますか?

丸田先生:シニアの子だとベッドに寝たままの診察もできますので、病院や診察台へ移動しなくていいことが往診のメリットのひとつですね。やはり移動することで緊張感が高まってしまい、普段の様子が見られない子たちもいますから。

注射を打ったり血液検査をしたりする際の準備中も、逃げ回ってしまわない限りはお家のなかで自由にしてもらっています。

また、獣医師である私がお家の中の様子を見られるのもメリットです。例えばシニアペットの場合、壁や建具の出っ張りにぶつかりやすかったり、転びやすかったりするので「転ばないように、フローリングに滑り止めマット引いてくださいね」などとお話をすることが多いです。

丸田先生のブログで「人の介護用品がペット介護にも応用できる」というお話がありました。飼い主様といろいろな話をされるのですね。

丸田先生:往診の場合はご自宅でじっくりお話をしますので、飼い主様が「使ってよかったもの」を嬉しそうに教えてくださることがよくあります。ほかの似たような困りごとを抱えている飼い主様に教えてあげてほしい、と言ってくださることも多くてありがたいです。

「先生に話せて安心した」という言葉も

ほかに往診ではどのようなお話をされていますか?

丸田先生:往診では手術などの高度医療ができないため、病状と飼い主様の要望によっては「がんばって病院へ連れて行ってみませんか」とお伝えすることもあります。

「自宅でできることをしたい」「本人がなるべく苦しまないようにしたい」という場合は私ができる限りの手を尽くすのですが、それでも病院での検査等が必要な場合、検査後はまた私が診ることにして検査を受けていただくこともあります。

必要なタイミングで必要な処置をすることが大切なのですね。

丸田先生:そうですね。飼い主様が一番困っていらっしゃるのは「どこまで我慢させていいのか」「何をするべきなのか」の判断に迷うことではないでしょうか。例えば慢性疾患の場合に様子を見ていいのか、症状が悪化しているのかがわかりにくいこともあります。そういう時に私がアドバイスをすることで助けになれたらと思います。

また、往診を始めてからLINEで飼い主様とつながっています。一般病院は診療時間が終わると獣医と話せませんが、夜遅くでも私が対応できる範囲で対応しているんです。インターネットで検索するようなことを直接私に聞いていただける関係性を作るように心がけています。

飼い主様からよく「先生と話せて安心しました」と言われますので、そういう存在の先生たちが増えていくといいなと思っています。

在宅ケアのコツは「家族内の共有」と「手抜き」

飼い主の想いに寄り添う獣医師。丸田香緒里先生にインタビュー

慢性疾患をもつシニアペットの場合、在宅ケアでどんなことに気を付けるとよいでしょうか?

丸田先生:慢性疾患だと、例えば食欲がないことに飼い主様が慣れてしまうというケースがあります。でも実は「悪化している食欲がない」という状態かもしれません。

また、お母さんだけが世話をしていると、毎日その子を見ているからこそ気づきにくいことにご家族が気づくという場合もあります。そのため、ぜひやっていただきたいのはご家族内での症状の共有ですね。

体重や食べたごはんの量、水の量、おしっこをした時間や回数などを細かく記録されている飼い主様はやはり細かいことに気づきやすいという印象があります。

でも細かくそうした記録をつけるのは大変そうですね。

丸田先生:ひとつおすすめなのは、時間帯が記載されているビジネス手帳を使うことです。私は先日愛犬を看取ったのですが、ごはんを食べた時間やトイレ時間を残すため、時間を丸で囲んで記録していました。一日に5回だったおしっこが3回になっていると「あれ?お水あんまり飲んでいないのかな」と気づけます。ご家族でそうした記録表をつけるのもおすすめです。

飼い主自身も高齢の場合、ペットの在宅ケアで何かコツはありますか?

丸田先生:できる限り人に甘えるのは大事だと思います。ご近所の方でもご家族でもいいので、「最近こういうケアが大変なんだよね」とお話できる相手をつくるのはおすすめです。

お世話も「きっちりやらなくてはいけない」という固定観念を取り払うことがすごく大事ですね。例えばワンちゃんがトイレを失敗し始めたとして、毎回床を拭き掃除していると飼い主様が疲れてしまいます。

失敗が重なるとイライラして怒ってしまったりしますから、はじめからトイレを失敗しそうなところにペットシートを敷き詰めておく。そうすれば失敗してもOKになりますし、ペットシーツを片付ければ飼い主さんも拭き掃除しなくて済みます。

ペットシーツを敷く範囲が広がってきたら犬用おむつを使うなど、できる限り手抜きをしていくのがとても大切だと思います。

完璧にやろうとするより、楽に解決できる方法を探すのですね。

丸田先生:前にご相談いただいた例として、留守番の時にどうしてもうんちをしちゃうというダックスフンドの子がいました。飼い主様が帰宅すると、サークルの中でその子がうんちを踏みつけてしまっていて、大変な臭い。「帰宅したら本人のシャワーや片づけで2時間くらいとられてしまう」というご相談だったんです。

そこでおむつの使用を勧めたところ「今は快適で仕方ありません!」と喜びの報告をいただきました。もう誰が先に帰宅するかという心配もないですし、片付けにかかっていた時間にその子をなでたり、のんびりお茶を飲む時間にもできますよね。

複数の先生に相談してOK。往診獣医師専門のサイトも

治療法今後のケアについて迷ったときは、かかりつけ病院以外の先生にも相談してよいものでしょうか?

丸田先生:獣医師も人間ですから、考え方はそれぞれです。もし治療方針に関する考え方に飼い主様との相違が出てきたら、ほかの先生に相談してみるのもひとつだと思います。

例えば「薬を十種類飲まないといけない」とかかりつけ医に言われたとしても、ワンちゃんがすごく嫌がるなら、もう強い治療をするのはやめたいと考える飼い主様もいらっしゃるでしょう。

でも「薬を飲ませないと、私がこの子の寿命を短くしてしまうんじゃないか」と罪悪感を感じて、「私はだめな飼い主なんですよね」と卑下される飼い主様もすごくいらっしゃいます。

そんなとき別の獣医師から「もうシニアだし、薬の数を減らしてもいいと思う」と言われると「それでいいんだ」と飼い主様の気持ちがすごく楽になるんです。迷いがあるときは、2~3人の先生に相談してみて、つながっておくのはいいことではないかと思っています

新たな獣医の先生は専門性で探すのがいいでしょうか?

丸田先生:例えば消化器の専門獣医を探すなら、インターネットで簡単に見つかるとは思います。ただその先生が飼い主様に寄り添うタイプなのかどうかは、インターネット上ではなかなかわかりません。また、実際に通うならなるべく近くの病院のほうがいいですよね。

そのため、ご近所の口コミを聞いてみるとかお散歩仲間の方に相談してみて、ご近所で見つかればそれがいいのではないでしょうか。

往診の先生は比較的飼い主さんの気持ちに寄り添う方が多い印象ですので、お近くの往診可能な先生に相談してみるのもひとつだと思います。

現在、往診をしてくださる先生は多いのでしょうか?

丸田先生:最近増えている印象があります。飼い主様からのニーズが増えていますし、一般病院の増加にともなって「飼い主様に寄り添った診察をしたい」と考える獣医師も増えている印象を受けますね。

もちろん、専門医と往診の獣医師が連携することもあります。私たちができないことは専門医の先生にお願いしますし、専門医も飼い主様の要望によっては往診獣医を紹介してくださる場合があります。

自分で往診の先生を探す以外にも、そうしたケースがあるのですね。

丸田先生:私が理事を務める「一般社団法人 往診獣医師協会」のホームページを見ていただくのもおすすめです。今まで「往診の先生たちがどこにいるのかわからない」と言われることが多かったので、往診を専門にやっている先生たちだけの検索サイトを作りました。

一般的な検索で見つかるのは「動物病院の昼休みにだけ往診に対応している」「初診は対応できない」先生が多いので、往診獣医師協会のサイトも使っていただけたらと思います。

人と動物が何歳になっても一緒に暮らせる社会を作りたい

飼い主の想いに寄り添う獣医師。丸田香緒里先生にインタビュー

今後のご活動について、展望をお聞かせください。

丸田先生:医療の発展によってペットの寿命が延びてきていますので、最近は50代・60代くらいの方が新しくペットを迎えるのを躊躇(ちゅうちょ)されるようになりました。診察中も「この子が最期かしらね」と言われることがあり、悲しいなと感じています。

でも私が往診を広めることで、飼い様が高齢になられても、ペットの健康を守っていってあげられるかもしれません。人とペットが一緒に暮らすメリットは本当にたくさんありますから、関連団体と連携しながら、何歳になってもペットと暮らせる社会を作っていきたいなと考えています。

また、人と動物たちが健康で幸せに過ごすコミュニティスペースをつくる「H+A HA HA(ハハハ)プロジェクト」を企画中です。これは会社を立ち上げたときからずっとやりたかったことで、人と動物が集まってみんなでおしゃべりしたり、介護に役立ったものの話などを直接会って話せたりする場にできたらと考えています。

獣医師だけではできないことなので、ペットトレーナーさんや、介護士さんなど人の医療関係者、あるいは行政等と連携しながら、神奈川県藤沢市を拠点にそういう場所を作っていく予定です。

素敵なご活動ですね。本日はお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

Animal Life Partner院長 丸田香緒里先生

Animal Life Partner院長、獣医師。日本大学卒業。動物病院勤務後「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットー にAnimal Life Partner設立。
獣医中医師、ペット栄養管理士など様々な資格を生かし、病院での診療の他、シニアケアや飼い主の心のケアにより力を入れた往診診療を行う。
著書:「犬のいる暮らし 一生パートナーでいるために知っておきたいこと」(池田書房)

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