2023.04.21
2023.09.11
犬を飼う際に必要な費用とは?生涯費用や月額費用など内訳を解説
この記事では、犬を飼う際にかかる費用を詳しく解説しています。犬の生涯にかかる費用は、300万円以上です。初期費用と1か月にかかる費用、去勢・避妊手術のような単発費用を内訳を解説します。多頭飼育や小型犬・中型犬・大型犬の違いなども確認します。
ポイント
犬の生涯にかかる費用は300万円を超えます。初期費用は最低59,800円、1か月にかかる食費やトイレのなどの消耗品は5,000円です。これに加えて、単発費用がいくつもかかります。また、多くの飼い主が自分よりも犬に医療費と美容費をかけているという調査結果もあります。
まず、この記事で扱う犬の条件について確認しておきましょう。
犬は実に多種多様で、種類によって食費や寿命が変わるためです。
この記事では以下のような犬を前提に、計算をします。
試算する犬の条件
- 犬の種類:小~中型犬(マルプー・チワプー・チワックスなど)
- 飼い方:完全室内飼い、1頭で生涯飼育
- 寿命:14歳(平均寿命)
- 去勢:行う(オスの去勢・メスの避妊で費用が変わります)
犬の生涯にかかる費用は300万円以上!
犬の1年間にかかる費用は137,000円です。
ここに、去勢・避妊手術の約20,000円と初期費用の59,800円を足すと、216,800円です。
犬の平均寿命は14歳なので、単純計算をすると、犬の生涯にかかる費用は最低3,035,200円です。
では、この金額の内約を確認していきましょう。
犬を飼う初期費用とその内約について
犬を飼う際に必要な初期費用は、最低59,800円です。
その内訳は以下のとおりです。
登録手数料 | 3,000円 |
---|---|
マイクロチップ | 3,300円 |
混合ワクチン | 5,000円 |
狂犬病 | 2,000円 |
健康診断費 | 10,000円 |
消耗品 | 36,500円 |
詳しく確認していきましょう。
飼い犬の登録
犬を飼う際は、住んでいる市区町村に犬を登録することが法律で義務付けられています。
その際、登録手数料の3,000円が必要です。
狂犬病予防接種や混合ワクチン
日本では、狂犬病予防接種が義務付けられています。
日本獣医師会による2015年の家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査によると、狂犬病予防接種の金額は2,000円~3,000円です。※1
また、狂犬病予防接種は毎年受ける必要があります。
犬の混合ワクチンは2種から10種までありますが、すべての犬に接種を推奨されているワクチンは、コアワクチンと呼ばれる予防薬が入った5種以上のワクチンです。※2
主に自宅近辺で過ごす犬には5種混合、山や川、他県までに出向く犬には8種混合というように、犬の過ごし方により推奨されるワクチンが変わります。※3
犬によっては年齢や既往歴などでも変わるため、どのワクチンを打つかは、獣医師とよく相談をしてください。
また、混合ワクチンは日本においては、年に1回打つことが一般的です。
費用は、日本獣医師会による2015年の家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査によると、5種と6種が5,000円~7,500円、8種から10種までが7,500円~10,000円です。※1
マイクロチップ
2022年6月から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬には、マイクロチップの装着が義務化されました。
これにより、初期費用としてマイクロチップの装着代と登録料がかかります。
譲渡会や捨て犬など、ブリーダーやペットショップ以外から手に入れた犬については、マイクロチップの装着は義務化されていませんが、この記事では装着を前提に計算に計上します。
費用は、装着代が3,000円~10,000円です。登録料は書類申請が1,000円、オンライン申請が300円です。
ちなみに、筆者の犬は小型犬のシーズーで、装着代が5,000円でした。※4
また、マイクロチップの装着は、市区町村によっては補助金が出ています。
例えば、町田市の補助金額は2,000円、鎌倉市は1,500円、名古屋市は1,000円です。※5
健康診断
日本獣医師会による2015年の家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査によると、健康診断の費用は10,000円~12,500円です。※1
必要最低限の消耗品・備品
犬を迎えるに当たり必要になる飼育グッズは以下のとおりです。
金額は、大手通販サイトで一番人気があるものの値段を記載しておきます。
サークルやケージ | 16,000円 |
---|---|
トイレトレー | 2,000円 |
トイレシート | 2,000円 |
シャンプー・リンス | 3,000円 |
ブラシ | 1,500円 |
ベッド | 3,000円 |
食器 | 1,500円 |
フード | 3,000円 |
リード | 1,500円 |
ハーネスや首輪 | 1,500円~2,500円 |
おもちゃ | 1,500円 |
これらの合計金額は、最低36,500円です。
飼い犬にかかる1カ月の費用とその内約について
犬にかかる1カ月の費用は、トリミング代とトイレシート代、フード代です。
トイレシートは前述のとおり2,000円、フードは種類と犬の体重にも寄りますが、5kgの犬で1カ月に約3,000円かかります。
トリミングは5,000円~です。
これらの金額を合計すると、1カ月につき約10,000円の費用がかかるでしょう。
トリミングをする犬種としない犬種
犬にはダブルコートとシングルコートの2種類の毛質があります。
ダブルコートの犬は毛が生え変わるため、トリミングの必要はありませんが、抜け毛対策やそれに応じたブラシを購入する必要があります。
主な犬種は、柴犬、ダックスフント、チワワ、ポメラニアンなどです。
シングルコートの犬は毛が伸びるため、定期的なトリミングが必須です。
主な犬種は、シーズー、プードル、ヨークシャーテリア、マルチーズなどです。
ダブルコートの犬種は家でシャンプーをすると排水溝が詰まる可能性があるため、トリマーにシャンプーだけを依頼する家庭もありますが、この記事ではシングルコートの犬種のトリミング代(シャンプー・カット・爪切り込み)を記載します。
トリミング代は、お店によって変わります。
犬種で費用を決めているところと、体重で決めているところの2タイプがあります。中には、これらのタイプ別費用の他に、体重が重い場合や手がかかる場合、被毛の状態が悪い場合などに加算されるお店もあります。
例えば、筆者が飼育するシーズーのトリミング代は、毎月7,000円です。他のお店に依頼していたときは、6,500円~9,000円までさまざまでした。
粗相をしたという理由で500円の追加料金がかかるお店もありましたが、現在行っているお店は、粗相をしても追加料金はかかりません。
このように、お店によって考え方が変わるため、お店を選ぶ際はトリマーと犬の相性とともに、細かい金額もきちんと確認をしてください。
トリミング代の相場は、5,000円~です。※6
人気が高いトイプードルのトリミング相場は、8,500円~12,000円です。
飼い犬にかかる1年間の費用とその内約について
食費はグレードにも寄りますが、大手通販サイトで人気のフードだと1年間に約36,000円、トイレシートは24,000円です。トリミング代は毎月行うとして、1年間に60,000円かかります。
ここに、予防接種費用や健康診断費、ペット保険料が加わりますが、ここではペット保険料は割愛します。なぜなら、日本においてペット保険の加入率は16.4%と低いからです。※7
予防接種費用は前述のとおり、混合ワクチンが5,000円、狂犬病が2,000円なので、1年間に7,000円かかります。健康診断費は10,000円です。
これらを合計すると、1年間にかかる犬の費用は137,000円です。
犬にかかる医療費について
日本獣医師会による2015年の家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査では、飼い主がひと月にかける犬の治療費の平均は、約8,000円でした。
1年間にすると、96,000円の治療費が必要になりますが、毎月治療費がかかる犬ばかりではないため、この記事では計算から省きます。
ただし、医療費は高齢になるほど高くなることは、飼う前から理解しておいてください。この治療費の負担を減らすには、ペット保険への加入と、きちんと健康チェックをすることが大切です。※8
飼い犬にかかる単発費用とその内約について
犬には、定期的にかかる費用の他に、単発でかかる費用もあります。
これらの費用は、一生に一度だけかかるものと、何度もかかる可能性があるものに分けられます。
この記事では、一生に一度だけかかる去勢・避妊手術の費用だけを計算に入れます。
去勢・避妊手術
日本獣医師会による2015年の家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査によると、犬の去勢費用は15,000円~20,000円が最も多く、避妊手術は、20,000円~25,000円が最も多いという結果です。※1
洋服代
アニコム損保株式会社(以下、「アニコム」)が行った調査では、服を着せている家の1年間の費用は、11,000円~13,000円でした。
洋服代はかからない犬もいるため、この記事では計算から省きます。※9
けがや誤飲の際にかかる突発的な医療費
突発的な医療費は、かからない犬もいるためこの記事では計算から省きます。
参考程度に確認をしてください。
小型犬は脚が細いため、骨折をしやすい動物です。
特に抱っこ中の落下や、誤って踏んでしまう事故には気を付けてください。
また、ウィペットやイタリアン・グレーハウンド(イタグレ)などは、脚が細く、骨折が起こりやすい傾向にあるため、注意が必要です。※10
日本獣医師会による2015年の家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査によると、骨折の費用は約50,000円~75,000円です。※10
他に、犬に多い事故は誤飲です。
誤飲は通院をしても1日から2日で済みますが、単価が高い傾向にあります。
ペットメディカルサポート株式会社による調査では、以下のように費用がかかっています。
小型犬の通院費……20,283円
中型犬の通院費……23,394円
※11
大多数の飼い主が医療費と美容は自分よりも犬にかけている
ここまで確認した犬にかける費用のうち、金額が大きいものはトリミング代と医療費です。
アニコムの調査結果を見ても、30.4%の飼い主が美容費は自分よりも犬にかけていることがわかります。
医療費についても、28.7%の飼い主が自分よりも犬にかけていることを考えると、犬にかかる費用の内訳のなかでも大きなものであることがわかります。※9
犬を飼うに当たり、費用がネックになっている場合は、トリミング代や医療費をいかに節約するかが大切になるでしょう。
多頭飼育の場合
この記事では計算に入れませんが、多頭飼育をしたい方は、この記事で出た金額に頭数を掛けて計算してください。
1頭の1年間にかかる費用137,000円・生涯費用3,035,200円
2頭の1年間にかかる費用274,000円・生涯費用6,070,400円
3頭の1年間にかかる費用411,000円・生涯費用9,105,600円
小型犬と中型犬、大型犬の違い
犬の大きさによって大きく変わるのは、食費とトリミング代、治療費です。
日本ペットフード協会による2021年の全国犬猫飼育実態調査を見ると、小型犬と中・大型犬の生涯費用の差は約200,000円であることがわかります。※12
大きなサイズの犬を飼う際は、このことも念頭に置きましょう。
まとめ
- 犬の生涯費用は最低3,035,200円
- 犬の初期費用は最低59,800円
- 犬の1カ月の費用は最低10,000円
- 犬の1年間の費用は137,000円
よくあるご質問
-
Q
犬1匹にいくらかかりますか?
A最低3,035,200円です。
-
Q
犬を飼う際にかかる費用はいくらですか?
A最低59,800円です。
-
Q
小型犬の生涯にはいくらかかりますか?
A最低2,835,200円です。
※1:公益社団法人 日本獣医師会|家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(平成27年度)
http://nichiju.lin.gr.jp/small/ryokin_h27/(閲覧日:2023/4/20)
※2:アクサダイレクト|犬の予防接種|狂犬病・混合ワクチンの種類と費用(2020/10/15)
https://www.axa-direct.co.jp/pet/pet-ms/detail/5042/(閲覧日:2023/4/20)
※3:シートン動物病院 長岡|イヌのワクチンプログラム
http://seton.jp/vaccine/dog.html(閲覧日:2023/4/20)
※4:アットホーム|犬を飼うにはいくら必要?初期費用や月々の費用を解説(2022/10/20)
https://www.athome.co.jp/contents/withpet/dog-initialcost/(閲覧日:2023/4/20)
※5:
町田市ホームページ|町田市犬及び猫のマイクロチップ装着事業補助金(2023/4/1)
https://www.city.machida.tokyo.jp/iryo/hokenjo/pet/microchip.html(閲覧日:2023/4/20)
鎌倉市|マイクロチップ装着費用の補助について(2023/3/31)
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kan-hozen/microchip-hojokin.html(閲覧日:2023/4/20)
名古屋市|犬・猫のマイクロチップ装着費用の補助について(2023/4/1)
https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000034576.html(閲覧日:2023/4/20)
※6:わんちゃんホンポ|犬をトリミングする料金はいくら?平均的な値段や犬種によって変化する価格(2018/8/24)
https://wanchan.jp/osusume/detail/9326(閲覧日:2023/4/20
※7:価格.com|みんな入っているの?ペット保険の加入率とは(2022/11/30)
https://hoken.kakaku.com/pet/article/1706a.html(閲覧日:2023/4/20)
※8:公益社団法人 日本獣医師会|家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)
http://nichiju.lin.gr.jp/small/ryokin_h27/index2.html(閲覧日:2023/4/20)
※9:anicom you|【アンケート実施中!】ペットにかける費用はどのくらい? (2023/1/19)
https://mag.anicom-sompo.co.jp/21232(閲覧日:2023/4/20)
※10:楽天保険の総合窓口|愛犬が骨折!応急処置や手術の方法は?治療費用はいくらくらいかかるの?(2022/6/2)
https://www.rakuten-insurance.co.jp/pet/column/pet-dog_fracture.html(閲覧日:2023/4/20)
※11:REANIMAL|犬と猫の誤飲にかかわる診療費は?平均手術費は約8万9,000円:ペット保険「PS保険」調べ(2022/4/18)
https://reanimal.jp/article/2022/04/18/3874.html(閲覧日:2023/4/20)
※12:一般社団法人ペットフード協会|犬 飼育・給餌実態と支出
https://petfood.or.jp/data/chart2021/6.pdf (閲覧日:2023/4/20)
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この記事の執筆者
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
2017年よりライターとして活動中。子供の頃から動物好きで、猫、ハムスター、うさぎの飼育経験あり。現在はシーズー犬と一緒に暮らしている。犬は他の動物と比べて人間と密な生活になるため、ペット関係の資格を取得した。
運営元情報
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