文鳥が死ぬ前にできること

文鳥が死ぬ前に、後追いの防止をしてください。
そして、火葬を選ぶ可能性があるならば、文鳥がまだ元気なうちに値段などの情報収集だけでもしておくと、いざというときに慌てないで済みます。

後追いの防止

文鳥は、仲間や配偶者（つがい）に多くの愛情を注ぎます。そのためか、仲間や配偶者（つがい）が死んでしまうと、数日から数週間のうちに残された文鳥も死んでしまうことがあります。
この後追いのメカニズムは今のところはわかっていませんが、寂しさやショック、悲しみなどの感情から弱ってしまうのかもしれません。

そのため、体調を悪くした文鳥を早めに距離をとるなどの対応をしてください。
ただし、居なくなった文鳥を探し回ることはあります。あくまでも、死んだときに認識させないことと、感染防止のためと心得てください。

そして、元気なうちから一緒にいる時間を減らすことも大切です。
放鳥のときだけ一緒にする、あるいは放鳥のときは別々にするなどの工夫をします。
それと同時に、飼い主との時間を増やしてください。

飼い主が放鳥時に一緒に遊ぶ、放鳥時以外も手にのせるなどし、仲間や配偶者だけに依存をさせずに、飼い主への愛情も同時に深めさせることが大切です。ただし、飼い主に依存させるのは逆効果です。詳しくは「文鳥の寿命」にて後述します。※1

火葬は事前に問い合わせできる

文鳥が死んでからでは焦ってしまいそうなら、文鳥が元気なうちからペットの火葬業者に問い合わせをしておくと良いでしょう。
プランや正確な金額などをざっとでも頭に入れておけば、いざというときに焦らずに済みます。事前に情報収集だけでもしておけば安心です。

文鳥が死んだら行うこと

文鳥が死んだらまず、安置をしてください。
そして、火葬と土葬、どちらかを選んでください。

安置方法について

ぬらしたタオルなどで汚れを落としながら、からだ全体をきれいにしてあげてください。

そして、死後硬直がはじまる前に、目と口を閉じさせて寝ている姿勢にします。
もし、死後硬直がはじまっていたら、硬直がとけたあとにしてあげましょう。無理に動かすと骨折などをする恐れがあります。

文鳥が入る大きさの箱を用意し、ガーゼやトイレシート、新聞紙などを敷いてください。
その上にタオルなどを敷き、文鳥を寝かせます。
頭とおなかを中心に保冷剤や氷袋を置いて、箱ごと日が当たらない涼しい部屋に置きましょう。※1

火葬と土葬の違いについて

火葬と土葬、どちらにするか決めるために、メリットとデメリットを確認しましょう。

火葬

メリット

• 臭いや害虫、害獣、菌の発生を抑えられる
• きちんとした供養ができる
• 納骨・埋骨・散骨・手元供養・合祀から供養方法を選ぶことができる

デメリット

• お金がかかる
• 遺骨の供養方法に悩むことがある

土葬

メリット

• 安価
• 土葬した場所に自由なモニュメントや植木などを置ける

デメリット

• 臭いや害虫、害獣、菌が発生するリスクがある
• 臭いなどの問題でご近所トラブルが発生する可能性がある
• 引っ越しや飼い主の逝去などがあると、無縁仏になってしまう
• 土葬できる場所に制限がある

以上のことを踏まえた上で土葬を選ぶなら、以下の方法で行ってください。

土葬の方法

土葬の際、用意すると良いものは軍手の他に石灰です。
石灰は殺菌防臭効果が期待できるうえ、遺体が土に還るのを促してくれます。

石灰が手に入らないときは、炭と腐葉土を用意してください。
炭は防臭効果が期待でき、腐葉土は遺体が土に還るのを促してくれます。

1.穴を掘る

文鳥を土葬する場合は、穴の深さは1メートル程で問題ありません。
穴を掘る前に水をまいておくと、比較的掘りやすくなります。

2.石灰をまく

石灰を穴の深さの半分ほど入れてください。

3. 遺体を寝かせる

遺体を穴に寝かせてください。このとき、遺体をタオルなどで包みたくなりますが、包んでしまうと土に還るまでの時間がさらに必要になります。ただし、臭い予防にはなるでしょう。

包む場合はオーガニックコットンや麻の天然素材100％の布にしてください。化繊は腐食しにくく土に還りにくいため、土壌汚染につながる可能性があります。
止まり木は天然素材の木なら一緒に入れてあげられます。化学物質や化繊は避けてください。
おやつやごはんも害虫や害獣の発生につながり、掘り返される恐れがあるため一緒に入れることはできません。

4.遺体に石灰と土をかける

遺体に残りの石灰をかけて、そのうえから土を盛るようにしてください。

5. モニュメントや植物を置く

遺体を埋めた場所に、モニュメントか植物を置いて目印にします。
できるだけ毎日手を合わせて供養してください。

プランター葬の方法

プランター葬は、集合住宅に住んでいてもできる土葬です。
地面の土に土葬するよりも土が少ないため、ご遺体が土に還るまでの時間が長くなります。
そのため、臭いや害虫などの被害が長くなることを理解してください。
臭うからと言ってベランダに出してしまうと、害獣被害につながるため、できるだけ家の中で供養しましょう。

プランターは、陶磁器でできた深めのものにしてください。
他に、園芸用の土と腐葉土、鉢底ネット、肥料、植物の種を用意しましょう。

1.鉢底ネットと軽石を敷く

底に穴のあるプランターなら、鉢底ネットを底に敷き、その上に軽石を敷きます。
底に穴がないプランターなら、軽石だけを敷いてください。

2.腐葉土を入れる

プランターの3分の1まで腐葉土を入れます。
もしくは、土と腐葉土を1：1で混ぜても構いません。

3.遺体を寝かせる

遺体を土に寝かせる際、布で包むことは避けた方が良いでしょう。
なぜなら、土が少ないプランター葬で布に包んでしまうと、土に還るまでに余計な日数を要してしまうからです。

どうしても直接土に寝かせたくないときは、葉っぱやワラを敷いてください。

4. 腐葉土と肥料をかける

腐葉土と肥料は混ぜずに順番にかけてください。

5. 鉢底ネットを敷く

「4」でかけた腐葉土と肥料の上に、鉢底ネットを敷いてください。
植物の根で遺体を傷つけることがないよう、鉢底ネットで守るためです。

6.腐葉土を敷き、植物の種を植える

腐葉土か、腐葉土と園芸用の土を1：1で混ぜたものを敷いたら種を植えてください。
できるだけ毎日手を合わせて供養をしましょう。

火葬の種類と費用

文鳥は火葬をしても遺骨が残ります。
プランと費用相場の概要は以下の通りです。

これらの中からプランを選ぶ際、気を付けたいのが合同火葬です。
合同火葬は他のペットと一緒に火葬し、そのまままとめて合同墓地に埋葬されます。
そのため、文鳥の遺骨は絶対に戻りませんし、他のペットと一緒に埋葬されることに抵抗があるなら、このプランは避けてください。

自治体で行う火葬について

文鳥の火葬はペット火葬業者だけではなく、自治体でも可能です。
ただし、中にはペットの火葬を行っていない自治体もあるため、事前に調べてください。

また、自治体の火葬はペットをゴミとして処理するところから、個別立会火葬が可能なところまでさまざまです。
そのため、値段もピンキリなので、自治体で文鳥の火葬をする際はきちんと調べてから行ってください。

火葬はいつまでにすれば良いのか

文鳥の火葬はできるだけ早く行うと良いでしょう。

保冷剤や氷を使った安置は、交換頻度や気候により遺体の腐食具合が変わります。
もって4日程と認識しておき、できるだけ早く火葬をしましょう。

腐敗が進むと見た目が悪くなるだけではなく、腐敗臭と不衛生さが際立ってしまいます。
大切な文鳥の最後の思い出を悪いものにしないよう、早めの火葬を心掛けましょう。

火葬ができる場所

民間による文鳥の火葬は、ペット霊園や一部のお寺、移動火葬で行えます。

ペット霊園や一部のお寺は固定炉なので、移動火葬よりも値段が高い傾向にあり、立地もさまざまです。

移動火葬は比較的安価で、合同火葬や個別一任火葬の際は家まで遺体を引取りに来てくれます。
個別立会火葬の場合は、条件が合えば文鳥が慣れ親しんだ自宅で火葬が可能です。条件によっては、近所のひらけた屋外に移動することがあります。

遺骨の供養方法

文鳥の遺骨の供養は、手元供養、埋骨、納骨、散骨の4種類から選びます。

手元供養は無料からできるうえ、自由な供養が可能です。反面、ペットロスになりやすく、飼い主が入院や逝去でいなくなると無縁仏になり、最後にはゴミとして捨てられてしまう側面があります。

手元供養は短期間にして、後から他の供養を選ぶほうが良いでしょう。
もしくは、遺骨の一部をペンダントなどにいれて、残りの遺骨を納骨や散骨をするなどして「分骨」をするのもおすすめです。

埋骨はその名の通り、遺骨を土の中に埋める供養方法です。
一度火葬されているため、臭いや害虫、害獣、菌の発生を土葬よりは抑えられます。
ただし、埋骨できる場所は原則私有地だけです。

納骨は、ペット霊園や一部のお寺、ペットと一緒に入れるお墓、納骨堂、合祀墓のうちのひとつで行います。これらの中で一番の違いは価格です。
合祀墓なら比較的安く済みますが、個別のお墓はお墓の価格とは別に、年間管理費がかかります。

散骨は自分の土地か、ペットの散骨ができる霊園や遠洋で行います。公共の場所や河川、湖、道路などでの散骨はやめましょう。

文鳥の寿命

文鳥の平均寿命は8～10年ですが、メスの場合は産卵により死亡することもあるため、オスよりやや短くなります。

長生きさせるための注意点は、退屈・孤独・性的欲求不満を避けることです。
文鳥は、一夫一婦性のペアを作る習性があるため、飼い主と過度な接触をすると飼い主とペアを組もうとします。しかし、飼い主とは常に一緒にいることができませんし、繁殖も不可能です。

できるだけ1羽での飼育を避けることと、文鳥と飼い主の過剰な接触を避けること、後追いを避けることが長生きの秘訣と言えます。※3

文鳥の飼育方法

文鳥に必要なのは以下の4点です。
それぞれについて解説していきます。

• 温度管理と発情予防
• 栄養バランスのとれた食事
• 適度な運動
• 水浴び

温度管理と発情予防

文鳥に適したケージ内の温度は、20～25℃です。
夏や冬はエアコンを使いましょう。冬場にエアコンだけでは温度が上がりにくい際は、専用ヒーターや保温電球を使ってください。
文鳥の体温が少しでも下がると免疫力が低下し、体調を崩す原因になるからです。※4

ただし、1年中同じ温度にすると、メスの発情を促してしまいます。発情を抑制したいときは、日照時間を8時間以内に減らしてください。

また、毎日決まった時間に太陽の光に当てることも大切です。早寝早起きの習慣をつけましょう。※3

栄養バランスのとれた食事

文鳥の食事に関するポイントは以下の表を確認してください。
野菜や果物を与える際は、よく水洗いをして農薬を落としてから与えるか、無農薬のものを与えましょう。

食事に適したもの

ペレット、シード

おやつに適したもの

豆苗、小松菜、ニンジン、りんご、バナナ

与えてはいけないもの

ネギ、ホウレンソウ、モロヘイヤ、桃など（中毒や誤嚥につながる）

この中で特筆すべきはペレットとシードの違いです。

ペレット

概要
人工的に栄養素を合わせて作ったもの

栄養のバランス
栄養のバランスが取れる

文鳥が好むか
あまり好まない可能性がある

シード

概要
あわやひえなどの自然食材を合わせて作ったもの

栄養のバランス
栄養のバランスが取れないため、副食物として青菜やボレー粉を与える必要がある

文鳥が好むか
殻を剝きながら食べられて楽しめる、味があって好む

文鳥は幼鳥の頃に食べていたものをそのまま好んで食べていきます。
途中から食べ物を変更するのは難しいため、文鳥を飼う際は、今まで何を食べていたのかを尋ねておいてください。※3

また、ふやかしたあわ玉だけを食べている期間（ヒナのとき）以外は、清潔な水も用意してください。※5

適度な運動

文鳥に限らず、飼育されている鳥には「放鳥」が必要です。

放鳥は、運動不足やストレスの解消になるだけではなく、飼い主と遊べるコミュニケーションの時間でもあります。コミュニケーションを取る際に、文鳥に触れることで健康状態を確認できるというメリットもあります。
1日1回は文鳥をケージから出して、精一杯羽ばたかせてあげましょう。

放鳥時間はできるだけ1日1時間以上取りたいところですが、忙しいときは最低でも30分は取ってください。その間、必ず飼い主が側で見守っておくことが大切です。
ただし、文鳥を迎えてすぐの放鳥は避けてください。
迎えてから1週間以上過ぎていて、飼い主やケージの外に文鳥が興味を持っていたら、放鳥を開始します。最初のうちは5分～10分から始めて徐々に伸ばしていきます。まずは環境に慣れさせることが大切です。※6

また、放鳥する際は、以下の点に気を付けてください。

• ドアや窓の開閉（逃げ出すことと、ドアに挟まれること）
• 料理はやめる
• 暖炉や石油ストーブ、換気扇などに触れることや、進入することのないようにする
• 誤飲誤植
• 他のペット
• 多頭飼育の場合はけんか

水浴び

文鳥は水浴びをして羽毛をきれいにする習性があります。
水浴びをさせないと不衛生になり、体調悪化や下痢の原因になるため、必ず水浴び器を用意しておきましょう。

水は毎日こまめに交換をしてください。
水浴びの後の水には、汚れや羽などが浮いており、放置をすると雑菌の繁殖につながります。この状態や、フンや食べかすなどが入った状態で水浴びをするのは逆効果です。※7
また、水浴びにより適度な運動効果やストレス解消も期待できます。※4

まとめ

• 文鳥は後追いをすることがあるため、体調を悪くした文鳥は早めに隔離をすること
• 葬儀に関する情報は、文鳥が元気なうちから収集できる
• 文鳥は火葬をしても遺骨が残る
• 文鳥の火葬はできるだけ早めに行う
• 文鳥の火葬はペット霊園や一部のお寺、移動火葬、自治体のどれかで行う
• 文鳥には、温度管理と発情予防、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、水浴びが大切

よくあるご質問

• Q

  文鳥の寿命は何年ですか？

  A

  文鳥の平均寿命は8～10年です。ただし、メスの場合は産卵により死亡することもあり、オスよりやや短い傾向です。

• Q

  土葬の深さを知りたいです。

  A

  文鳥の場合は身体が小さいため、1メートルほどの深さで問題ありません。

• Q

  文鳥の遺骨はどう供養すれば良いですか？

  A

  手元供養、埋骨、納骨、散骨の4つから選びましょう。