2022.02.16
2023.09.11
犬におむつを履かせるなら|始めるタイミングや注意点、選び方など

犬の粗相が増えてしまって困ったときは、おむつを履かせるタイミングです。ただし、まずは動物病院に行って、粗相の原因を確かめてもらいましょう。予期しない病気が潜んでいる可能性があります。この記事では、おむつ使用時の注意点やおむつの選び方などを解説します。
この記事の監修者

増田 国充氏
ますだ動物クリニック院長 / 獣医師
増田 国充氏
ますだ動物クリニック院長 / 獣医師
獣医師、防災士、2001年北里大学卒
2007年ますだ動物クリニック開院。診療に東洋医療科を加え、鍼灸や漢方による専門外来を実施。運動器疾患に対して鍼灸による治療を積極的に取り入れ、県内外から症例に対応する。また、鍼灸・漢方等で国内外で講演を実施。動物看護系専門学校非常勤講師兼任。
犬のおむつはいつから履かせる?粗相が増えたらおむつの出番
愛犬の粗相が増えてきたら、おむつを履かせるタイミングです。
トイレ以外の場所で排せつをしてしまう原因はさまざまですが、加齢により泌尿器系周囲の筋肉の衰え、それらの筋肉に対するコントロール能力が低下したためにトイレに間に合わないということもあります。
しかし、腎臓病や視力・嗅覚の低下、認知症、メスの場合はホルモン性の病気が原因になっていることも考えられます。
そのため、トイレに間に合わないなどの粗相が増えたら、一度動物病院を受診してください。※1

一般におむつを必要とする場面は高齢になって排尿機能が低下してことによること、あるいは腫瘍やケガといった脊髄の損傷に由来するもの、ホルモンの分泌バランスによるものなど様々です。シニア期になると腎臓の機能が低下し、慢性腎臓病に至るケースが多くみられます。飲水量が増えることによって排尿量や排尿回数の増加みられるため、場合により粗相につながることがあります。このように排尿がうまくできない理由の中には、現状を改善できる可能性のあるものが存在します。そのためには定期的な検診や、普段と変わった様子が見られた場合に早期に原因を探ることが有効と考えます。
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おむつのメリットとデメリットとは
犬の粗相が増えてもおむつの使用に抵抗があると感じる方もいらっしゃるでしょう、おむつのメリットとデメリットを解説します。
おむつのメリット
- 生活環境が清潔になり、ストレスが軽減する
- 犬は粗相して叱られることがなくなり、飼い主様も叱る必要がなくなる
おむつのデメリット
- 費用がかさむ
- こまめにおむつを替える手間がかかる
- 犬のからだに便がついてしまうので清潔を維持する必要がある
- 犬の皮膚炎のケアが必要になる
以上のように、おむつにはメリット、デメリットがあります。
しかし、最大のメリットは生活環境が清潔になることです。
帰宅したら、排せつ物で部屋が汚れているという状況は、人間にも犬にも悪い環境です。掃除や除菌・消臭の手間もかかるでしょう。
犬と飼い主様双方のためにも、おむつは重要なアイテムと言えるでしょう。※2
犬におむつを履かせるときの注意点
主に紙おむつの使用について解説します。
まず、犬におむつを履かせるときの注意点を確認しましょう。
- サイズ
- 清潔さ
- 皮膚炎
それぞれの詳細を解説します。
適切なサイズを選ぶこと
サイズが合っていないおむつは、さまざまな問題が起きます。
おむつが大きいと排せつ物が漏れてしまう、小さいと血行不良を引き起こします。
これらは、皮膚炎の原因となることもあります。
からだに合ったおむつとは、皮膚とおむつがあたる部分(股関節、しっぽ周辺、おなかまわり)に人間の指が1・2本入る程度です。おなかのテープなどを調整できるおむつを選びましょう。
また、毛をカットすることで毛量が変わりサイズが合わなくなる、介護状態が続くことで体格が変わりサイズが合わなくなることもあります。
おむつのサイズ感は日頃から確認しましょう。※3
清潔に保つこと
おむつはこまめに変えることが大切です。なぜなら、排せつ物と皮膚が長時間触れることで、皮膚炎の原因になるからです。
そのため、1回の排せつごとに変えるのが望ましいと言えます。しかし、排せつしたかどうかを確認するには、おむつを脱がさなければなりません。
そこで、朝・帰宅前・帰宅直後・夕飯前・寝る前など、交換しやすいタイミングを決めておくことで対応しやすくなります。
また、おむつを交換したときは、皮膚炎などの異常がないかの確認しつつ、空気に触れさせて、おむつかぶれを予防しましょう。
次に、清潔を保ちやすくするために、おむつにあたる場所の毛はカットしておくことをおすすめします。オスの場合は、肋骨近くまでカットしてしまった方が楽な場合もあります。
汚れた場合は低刺激のウエットティッシュで拭いてあげてください。
ウエットティッシュはペット用、赤ちゃん用、そのどちらでも構いません。
さらに、1日に1回程度、股の付け根部分と、オスなら腹部を水で洗い流してあげると良いでしょう。
排便の後は、ウエットティッシュで拭いてしまうと、力を入れて擦ってしまうことがあります。できるだけ排便の後も水で洗い流してあげましょう。摩擦は皮膚炎の原因になるからです。汚れがひどいときは犬用シャンプーを利用してください。
また、皮膚炎の予防は獣医師に確認しておくと、より良い対応ができます。※4
皮膚炎になってしまったら
こまめにおむつを替えていても、皮膚炎になることがあります。
皮膚炎の状態は、真っ赤になったり、ただれたり、ぽつぽつした湿疹が出たりとさまざまです。
皮膚炎を見つけたら、まずは動物病院を受診してください。
皮膚炎になるとかゆくなるため、かきむしって悪化してしまうこともあるからです。※5
犬のおむつを選ぶポイント
次に、おむつ選びのポイントを確認しましょう。
犬用と人間用のどちらを使うか?
おむつは、犬用はもちろん人間用を加工することで、どちらも使えますがそれぞれにメリット・デメリットがあります。
犬用のメリットとデメリットは?
犬用おむつのメリットは、購入後そのまますぐに使うことができ、サイズや形、吸水量が犬に合わせてある点です。
反面、価格が高めというデメリットがあります。
人間用のメリットとデメリットは?
人間用おむつの最大のメリットは安いことです。
犬用おむつの1枚あたりの価格は約60円ですが、人間用おむつなら約20円で購入できます。
対してデメリットは、しっぽ穴をあけるなどの加工の手間がかかる。
サイズ合わせが難しく、合わないまま使用すると、股ずれを起こしやすいという点です。※6
サイズの選び方は?
おむつのサイズは、「前足付け根と後ろ足付け根との中間部分の胴回り」と「体重」から適正サイズを選ぶことができます。
そのため、胴回りと体重を計測してから売り場に行きましょう。
初めて購入するときは、少数のものを購入し、愛犬に履かせてサイズを確認しましょう。※7
合ったサイズがなかった場合
適切なサイズがない場合は、おむつカバーやサスペンダーを使う方法があります。
おむつカバーは漏れ対策に効果がありますが蒸れやすく履かせる手間もかかります。
通気性や脱着のしやすさを考えるならば、サスペンダーの方が良いでしょう。ただし、サスペンダーはからだに擦れることがあります。
愛犬に合った方法を検討しましょう。※8
人間用おむつを使う場合のしっぽ穴の開け方
人間用おむつを使う際のしっぽ穴の開け方を解説します。
必要な道具は以下の4点です。
- テープ(サージカルテープだと指にべたつかず、手で切れますし、医療用なので万が一皮膚に付いても安心です)
- ハサミ
- ペットシーツ、新聞紙など(おむつを切った際にこぼれる吸収体を散らかさないため)
- サインペン
穴をあける場所
穴をあける側は、おむつのテープがない方(お尻側)です。
テープがある方に穴をあけると股にあたりにくくなります。
では、具体的な方法に移りましょう。
1.初めて穴をあける際は、一度犬におむつを履いてもらうと、しっぽの位置がわかりやすいでしょう。
ウエスト位置がきちんとカバーされているかどうかも確かめてください。
そして、おなかとしっぽの位置を合わせて、しっぽ穴をあける位置にサインペンなどで印をつけたら、おむつを脱がします。
2.印を付けた所をハサミで切ります。
しっぽ穴に指先が入るくらいの余裕を持たせておきましょう。
3.切り口にテープを貼ります。
テープを貼らないと、吸収体が出てきてしまいます。これが尿を吸ってしまうと皮膚にくっついてしまうため、取り除くのが大変です。必ず切り口にはテープを貼ってください。
4.犬におむつを履かせて、しっぽが出ていれば完成です。
おむつの加工は、慣れるとすぐに完成させられますので、いくつか作成して清潔に保てる場所に保管しておくことをおすすめします。
また、しっぽ穴の大きさは、生活習慣により変えると便利です。
尿と便をしっかりおむつの中に閉じ込めたいときは、しっぽの付け根にフィットする程度の小さめの穴を開けましょう。
尿をしっかりおむつの中に閉じ込めて、便は外でさせたいときは、しっぽ穴を肛門部分まで広げ、大きめの穴を開けてください。※9
まとめ
- 犬におむつを履かせるタイミングは、粗相が増えてきたとき
- 粗相が増えてきもおむつ使用の前に動物病院で病気の有無を確認する
- 犬のおむつ使用は、清潔さを保つことが重要
- おむつは犬用・人間用どちらでも使用できるが、人間用を使う際は加工が必要
- おむつを買う際は、体重と胴回りのサイズを計測してから購入する
- 合うサイズのおむつが見つからない場合はサスペンダーやおむつカバーを利用する

犬の寿命が伸びていることによって、ヒトと同じような高齢化に伴う問題がよくみられるようになりました。排泄の問題は、とりわけ飼い主さんにとって悩みの種となるもののひとつです。犬の目線からみると、彼らも好んで排泄がうまくいかなくなったわけではありません。粗相することを犬自身も望んでいないことでしょう。体力の衰えによるものなのか、何かケガや病気が潜んでいるものなのかの判別はしておく必要があると考えられます。改善できる場合は治療することで回数の軽減につながりますし、全体的な衰えに由来するものであれば、おうちの方に過剰な負担とならないように、また犬にも極力不快を与えないようにおむつを上手に活用していただくとよいでしょう。
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※1:老犬がお漏らしや粗相をしてしまったら?!
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※2:トイレの失敗が増えた老犬 オムツは着ける?メリット・デメリットは?【獣医師監修】
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※3:老犬のおむつはいつから使う?交換のタイミングや注意点&おすすめ商品
http://psnews.jp/dog/p/51392/
※4:犬のオムツかぶれ!トイレ対策する場合の注意について。
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※5:オムツかぶれを防いでお尻周りを快適に過ごすには
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※6:「おむつ」の選び方・使い方|介護|しつけ・介護コラム|あいむ動物病院 西船橋
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※8:犬用オムツのつけ方・サイズ・カバー・サスペンダーについて徹底レビュー【フレンチブルドッグこうめさんの場合】
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この記事の執筆者

竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
2017年よりライターとして活動中。子供の頃から動物好きで、猫、ハムスター、うさぎの飼育経験あり。現在はシーズー犬と一緒に暮らしている。犬は他の動物と比べて人間と密な生活になるため、ペット関係の資格を取得した。
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