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ペット保険

2023.03.13

2023.09.11

ペット保険はいらないもの?治療費を交えて必要性をわかりやすく解説

ペット保険は必要でしょうか?少額の掛け金でも出費を考えると加入に悩む方もいます。万が一ペットが病気やけがをしたときに治療費の一部でも補填される安心感がペット保険にはあります。ペット保険の必要性についてメリット・デメリットや実際の治療費を交えて解説します。

ポイント

ペット保険は加入した方が安心です。なぜなら、ペットも人と同じく急病や事故などで高額な治療費が必要になることがあるからです。こうした費用を貯蓄などから支出できるならばペット保険は不要かもしれません。ペットの入院・治療は時に数万円~数10万円の高額な出費が必要なこともあります。ペット保険に加入していることで一部を保険金で賄えれば、飼い主の経済的負担を減らすことができます。
不要な人:お金の心配がない方
必要な人:出費に対する備えをしたい方・治療の選択肢を広げたい方・じゅうぶんな治療をペットにしてあげたい方

ペット保険とは?

ペット保険とは?

日本では1995年にペット保険は誕生しました。
ペットには、人間にあるような健康保険制度がないため、獣医師の診断を受けるには原則全額自己負担をするしかありません。

しかし、近年飼育環境や飼い主の意識、医療技術の向上によりペットの寿命が延びています。
これは、自己負担をする医療費も増えることにつながり、飼い主の経済的な負担が増します。

治療費の負担が重くのしかかってくると、飼い主の経済状況によっては治療の選択肢が狭まるうえ、救える命を救えなくなるリスクが高くなるでしょう。
こうならないためにも、ペット保険でそのリスクを軽減できれば、例えば抗がん剤や入院などの高度治療を受けることも可能になるかもしれません。

そのうえ、ペット保険の中にはペットが他人や他人のものを傷つけた場合などに請求される損害賠償を補償できる保険もあります。これはペット保険にオプションとして付ける「特約」で追加できるものです。

このように、ペット保険に加入しておけば多くの安心を得ることができますが、ペット保険はタダではありません。月額か年払いの保険料を支払う必要があります。
そのうえ、原則掛け捨てです。
ペット保険加入数は年々増加していますが加入率は16.4%と低い水準です。※1
まずは詳しく、ペット保険の概要を確認してみましょう。

ペット保険で補償されるものとされないもの

ペット保険で獣医師に依頼したことすべてが補償されるわけではありません。
例えば、ワクチンやトリミング、避妊去勢手術、健康診断、加入前の病気などは補償されません。
補償されるのは、通院や薬、手術、入院です。保険内容や保険会社によっては、ペットが他人やものを傷つけた際の損害賠償責任も補償対象とすることもあります。

あくまでもペット保険は、一部が補償されるものと理解しておいてください。

ペット保険で補償されないもの

  • ワクチンや狂犬病予防接種
  • トリミング
  • 避妊去勢手術
  • 健康診断
  • 故意によるけが
  • 保険加入前の病気やけが
  • 歯の治療
  • 感染症の一部(フィラリアや狂犬病などワクチンや予防接種で防げるもの)
  • 妊娠・出産による病気やけが

※2

免責金額とは?補償範囲のものでも全額は補償されない

免責金額とは、保険会社が保険金を支払う必要がない金額のことで、加入者が負担する金額のことです。
ペット保険は、治療費の一部を必ず飼い主が負担します。
負担する金額は、「治療費の〇%」あるいは「2万円以上」など、プランや保険会社によって変わります。
前者の場合は治療費の〇%を加入者が負担し、後者の場合は、治療費が2万円以下の場合は保険金が支払われず、自己負担です。※3
そのため、後者の場合は治療費に2万円以上かからない限り請求ができないため、同原因同疾患の診療明細書(領収書・レシート)をためておく必要があります。

人間の健康保険でも負担金は発生しているため、ペット保険だけのデメリットとは言えませんが、免責金額の額はきちんと確認しておきましょう。

病気をしてからでは加入できない

ペット保険にも人間の保険と同じく、審査があります。
ペットの年齢や健康状態によっては加入できないこともあると認識しておいてください。
特に、大きな病気をしたあとは加入しにくくなるため、できるだけ若くて元気なうちに加入させておく必要があります。

また、保険を選ぶ際は、最初に加入条件を確認しておきましょう。※3

保険にずっと加入し続けられるわけではない

ほとんどのペット保険は1年契約の掛け捨てで、1年ごとに更新していきます。
そして、ペットは歳をとればとるほど病気のリスクが高まるため、ペットの年齢が上がるにつれ、保険料があがる保険が一般的です。※3

それに加えて、更新可能な年齢が決められている保険もあるため、ペットが一定の年齢になると契約が打ち切られ、医療費がかかる高齢期に無保険ということもあり得ます。※2
ペット保険に加入する際は、更新できる条件や2年目以降の保険料も確認してください。

支払った保険料の元が取れないことも

ペット保険は掛け捨てであるうえ、医療費の全額が返るわけではありません。
そのため、保険料が無駄になったと感じることもあるでしょう。

これはペット保険のデメリットと言え、ペット保険の加入を悩む理由のひとつと言えます。

ペットが死んだあとでも保険金は受け取れる?

ペットが死んだあとでも、保険金の請求をすれば保険金を受け取ることができます。
これはペット保険の大きなメリットです。治療の甲斐なく亡くなってしまった場合でも請求ができるため、必ず請求しましょう。

そして、請求をした後に解約をすることも忘れないでください。
ペット保険のほとんどは自動的に更新されるため、解約をしない限り保険料を取られてしまいます。

ペット保険は必要?不要な人と必要な人

ペット保険は必要?不要な人と必要な人

ペット保険の概要を理解すると、ペット保険が必要かそうでないかがわかります。

ペット保険が不要な方はお金の心配がない方です。通院はもちろん、入院や手術と言った高額な医療費もすぐに払えるほど経済的余裕があれば、ペット保険に加入する必要はありません。

対して、ペット保険が必要だと感じられる人は、出費に対する備えをしたい方や、治療の選択肢を広げたい方、十分な治療をペットにしてあげたい方と言えます。

不要な人:お金の心配がない方

必要な人:出費に対する備えをしたい方・治療の選択肢を広げたい方・じゅうぶんな治療をペットにしてあげたい方

ペットの治療費の目安と火葬(葬儀)にかかる費用を知ろう

ペット保険は、ペットに対する金銭的な負担を少なくするためのものです。では、ペットにかかるお金はどの程度なのでしょうか?

一度の診察に必要な高額治療費目安

日本獣医師会による犬・猫の飼育者意識調査(平成27年度)により、今までにかかった高額治療費の平均は58,993円であったことがわかりました。

では、以下のペットそれぞれにかかった高額治療費の平均を確認してみましょう。

大型犬 74,893円
中型犬 59,386円
小型犬 66,533円
超小型犬 58,046円
54,197円

ただし、小型犬を飼育している筆者の場合は、血小板減少性紫斑病という大きな病気にかかった際、治療費は合計で200万円ほどかかりました。

血小板減少性紫斑病や免疫介在性溶血性貧血など、特定の疾患は保険金が適用されないペット保険も存在します。
筆者の場合は、こうした大きな病気にかかるリスクを考え、特定の疾患でも保険金がおりる保険を選びました。ただし、保険料はやや高額になります。
筆者が加入したペット保険には各疾患に保険金の上限が設定されていたので、約2割程度の保険金が支払われました。

治療費に200万円かかっているため、約2割でも受け取れるのはとても助かりました。

ペット保険を選ぶ際は、こうした特定の疾患に対する処置も必ず確認する必要があります。※4

生涯にかかる治療費の概算

ペットの治療費は、ペットの体重が増えるほど高くなります。
そのうえ、動物病院によって多少料金が変わります。
これを踏まえた上で、ペットの治療費を確認してみましょう。

診療項目 金額
初診料 1,400円
入院料 小型犬2,700円~/1日
特大犬4,800円~/1日
注射 約2,000円/1本
点滴 2,000~3,000円

一般的な診療は、これらの項目に加え、検査費や薬代が追加されます。
筆者の犬は、血小板減少性紫斑病の検査のため、毎月血液検査と服薬が必要なので、毎月30,000円程の出費があります。
これに加えて、高齢になると皮膚炎や結膜炎、白内障、猫の場合は腎臓病などの病気が増えるため、さらに高額な治療費が必要になるでしょう。
さらに、狂犬病予防注射やワクチンにも出費があります。

犬の寿命の平均は14歳、猫は15歳なので、寿命を全うさせるまで治療費を払い続けることを考えると、ペット保険に加入しておく方が安心です。

犬種別年間平均治療費

犬の場合は大きさでも治療費が変わりますが、犬種によっても変わります。
人気が高い犬種の年間平均治療費と平均寿命を確認してみましょう。

犬種 年間平均治療費 平均寿命
トイプードル 58,875円 15歳
チワワ 64,060円 13歳
柴犬 63,406円 14歳
ヨークシャーテリア 75,597円 13歳
ミニチュアシュナウザー 80,651円 13歳
シーズー 107,755円 11歳
ゴールデンレトリバー 91,397円 11歳

以上のように、犬の場合は犬種によってかかりやすい疾患や治療費、寿命が変わります。
犬を飼う場合は、事前にかかりやすい病気や治療費も確認しておく必要があります。
そのうえで、治療費がかさむ傾向にある犬種を飼う際は、できるだけペット保険に加入すると安心です。※5

ペット火葬(葬儀)にかかる費用

ペット保険でまかなえる意外なものがあります。
それは、火葬(葬儀)です。

ペット保険に火葬費用特約を付けることで火葬(葬儀)費用をペット保険でまかなうことができます。しかし、全ての保険会社に用意されているわけではないため、ペット保険を検討するときに確認をしてみてください。

ペットの火葬に必要な金額は以下の通りですが、火葬費用特約をつけると平均30,000円の保険金がもらえるため、中には手厚い供養をしてあげられます。

  引取合同火葬 引取個別火葬 家族立会火葬
極小動物 8,500円 15,400円 17,600円
2kg未満 15,400円 18,700円 20,900円
2kg~5kg 18,700円 22,000円 24,200円
5kg~10kg 22,000円 25,300円 27,500円
10kg~15kg 27,500円 30,800円 33,000円
15kg~20kg 33,000円 36,300円 38,500円
20kg~25kg 37,400円 40,700円 42,900円

こちらの記事もご覧ください

まとめ

  • ペットには健康保険制度がないため、獣医師の診断を受けるには全額自己負担
  • ペット保険では、ワクチンやトリミング、避妊去勢手術、健康診断、加入前の病気などは補償されない
  • ペット保険には免責金額が設定されている
  • ペット保険には審査があり、どのようなペットでも加入できるわけではない
  • ペット保険は1年ごとの掛け捨てで更新されるが、更新可能な年齢が決められている保険もある
  • 支払った保険料の全額が保証されないこともある
  • ペット保険が不要な人は経済的余裕のある方で、必要な人は出費に対する備えをしたい方・治療の選択肢を広げたい方・十分な治療をペットにしてあげたい方
  • ペット保険に火葬費用特約を付ければ、火葬(葬儀)費用の一部を保険金でまかなえる

よくあるご質問

  • Q

    日本ではどのくらいの人がペット保険に加入していますか?

    A

    日本のペット保険加入率は16.4%です。※1

  • Q

    ペット保険が必要になる理由は何ですか?

    A

    ペットには公的な健康保険がないため、ペット保険に加入しなければ医療費が100%実費です。保険に加入することでこの何割かは保険会社が負担するため、治療の選択肢が広がり、助かる命が増える可能性が高くなります。

  • Q

    犬の年間平均診療費はいくらですか?

    A

    トイプードルで58,875円、チワワで64,060円、ミニチュアシュナウザーで80,651円などです。※4

参考文献

※1:みんな入っているの?ペット保険の加入率とは
https://hoken.kakaku.com/pet/article/1706a.html
※2:ペット保険はいらないは本当?加入する必要性やメリットをご紹介
https://life.saisoncard.co.jp/money/wisemoney/post/b3-5/
※3:ペット保険はいらない?犬・猫の治療費から検討する必要性や後悔しないための比較ポイントを解説
https://www.navinavi-hoken.com/articles/pet-insurance
※4:家庭飼育動物(犬・猫)の飼育者意識調査(平成27年度)
http://nichiju.lin.gr.jp/small/ryokin_h27/index2.html
※5:犬の治療費の目安は? 犬種ごとに年間治療費をチェック!
https://www.min-breeder.com/magazine/352

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この記事の執筆者
執筆者

竹田 恵氏

ペットシッター士
ライター

竹田 恵氏

ペットシッター士
ライター

2017年よりライターとして活動中。子供の頃から動物好きで、猫、ハムスター、うさぎの飼育経験あり。現在はシーズー犬と一緒に暮らしている。犬は他の動物と比べて人間と密な生活になるため、ペット関係の資格を取得した。

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