2023.10.02
犬のダイエット方法!成功の秘訣は犬の体調や年齢によって柔軟に対応すること
この記事は、犬のダイエットについて解説しています。健康的なダイエットの方法や、やってはいけないダイエット、肥満度チェックなどを記載しています。自分の犬が肥満体型なのか判断ができないなら、肥満度チェックを行ってみてください。
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ポイント
犬のダイエットは、食事と運動の両面から行う必要があります。
そして、これらは両方とも過度にならないよう注意をしてください。さらに、栄養失調やリバウンドをしないよう、よく観察をしてあげる必要があります。また、知識として肥満の原因とリスクを知っておけば、飼い犬の異常にも気づけることでしょう。
犬の肥満度チェックと適正体重
犬の適正体形をチェックするひとつの方法として、環境省自然環境局のHPにも掲載されているBCS(ボディコンディションスコア)が挙げられます。※1
これは、脂肪の付き方を見た目と触れた感覚で判断するもので、5段階あるいは9段階の指標があります。
BCSは体重変化までは掲載されていないため、BCSにて適正体形だと判断されているときの体重を、犬の適正体重として考えてください。
犬の肥満原因とは
犬の肥満原因は、摂取カロリーが運動量を上回っていること、去勢避妊手術、甲状腺機能低下症などの病気の3つが挙げられます。
フードには適正量が記載されているので、これをきちんと測って与えましょう。
愛犬が美味しそうに食事をするのをみて気持ち多めに与えていませんか?それが毎日続けば肥満の原因になります。
これに加えておやつや人間の食べ物も与えていると、より肥満に近づきます。犬は自分で体重管理ができません。飼い主が与えたものは残さず食べる傾向にあるため、飼い主が気をつけてあげるしかありません。
また、去勢避妊手術をすると、ホルモンバランスの乱れとともに、発情にエネルギーを使うことがなくなります。手術後も同じ量の食事をしていると、肥満の原因になります。
他に、副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)や甲状腺機能低下症も肥満を伴う病気なので、こうした病気を患っていると、肥満になってしまいます。※2
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犬の肥満リスクと病気
肥満は様々な病気の原因になるうえ、犬の寿命を縮める原因にもなります。
2002年と2018年に執筆された論文では、食事コントロールをした犬としない犬の寿命が、2年程違ったという結果が出ています。※3
さらにいえば、尿路結石や膀胱結石、膵炎、糖尿病、脂肪肝、関節炎などの病気にもかかりやすくなります。※3
また、体重が増えるとその分血液をさらに多く循環させるため、心臓に負担がかかります。首周りに脂肪がつくと気管が圧迫され呼吸がうまくできなくなります。これを気管虚脱といいます。※4
そのうえ、おなかの脂肪が胸を圧迫し肺が広がりにくくなくなるため、1度の呼吸で得られる酸素が少なくなり、熱中症やチアノーゼ、失神や窒息を起こしやすくなります。これは、筆者の犬が獣医師から説明された内容であり、ダイエットを勧められた原因でもあります。
犬のダイエット方法~食事編~
犬にダイエットをさせる際、食事を見直すのが一番重要です。
しかし、単に減らせばいいわけではありません。やみくもに減らすと犬に必要な栄養素が減ってしまい、健康が阻害される恐れがあります。
さらに、極端に減らしたことで犬がストレスを感じ、飼い主との関係が悪化することもあるでしょう。
これを避けるために、効果的かつストレスが少ないダイエット方法を解説します。
まずは適正量を与えてみる
犬に必要なエネルギー量を1%超過した食事を続けるだけでも、中年になったときに適正体重から25%も超過するそうです。
さらには、摂取エネルギーが消費エネルギーを7~9kcal超過すると、体重が1g増えるともいわれています。※5
フードに書かれている適正量も、あくまでも目安です。
犬の体重に合わせたフードの量を獣医師と相談し、きちんと測ってから与えてみてください。
さらに、おやつは飼い主とのコミュニケーションには最適なツールですが、与えすぎはいけません。おやつのカロリーをきちんと確認し、愛犬に適切な1日の摂取カロリーの10%以内になるように与えてください。※6
1度に食べる量を減らして回数を増やす
ダイエットに効果的なのは、食事量を減らすことです。しかし、減らした食事を1度に与えてしまうと、犬は満足しないでしょう。
2~3回にわけて与えることで満足度が維持され、ダイエットが続きやすくなります。
おやつは量よりも回数を重視
たくさんのおやつを1度にあげるより、何回かにわけてあげると満足度が高くなります。
おやつを完全になくしてしまうと、犬にとっての楽しみがなくなり、ストレスの原因になるため、少量を何度かにわけてあげてみてください。
そして、低カロリーのおやつを選ぶことで太りにくくなるうえ、回数をより増やすこともできます。※7
おねだりされたらかさましで対応
食事を減らしたことで犬が満足をせず、おねだりをしつこくされることは容易に想像できます。
この際は、おやつを与えたりフードを増やしたりしたら意味がないので、カロリーの低い食材を与えるようにしてください。
例えば、ブロッコリー・大根・キャベツ・トマト・きゅうり・人参・白菜です。
フードプロセッサーを使ったり、細かく刻んだりして胃や腸に負担をかけることのないようにしてください。より消化を良くするなら、生よりもゆでて与えてください。
なぜなら、犬は雑食とはいえ、肉食寄りの生き物です。野菜の消化はあまり得意ではなく、消化不良につながる可能性があるからです。特に、野菜の量には気をつけ、食事量の10~20%に留めてください。
そしてできれば、毎日与える野菜を変えてあげましょう。
万が一下痢や嘔吐を起こしたら、その野菜が犬に適さないことも考えられます。他の野菜に切り替えてください。
他におすすめの食材は豆腐やおからです。
あげすぎと、温度には注意をしてください。
冷たいまま与えると、下痢になる可能性が高いため、常温にしてから与えましょう。心配な場合はレンジで加熱をしてください。
また、犬に食べさせてはいけない野菜は、以下のとおりです。野菜はかさましに適しているものの、これらは絶対に与えないでください。
- ネギ・玉ネギ・ニラ・ニンニク・ラッキョウなどのネギ類
- エシャロット
- ワケギ
- アサツキ
- リーキ
- チャイブ
※8
他に、野菜や果物は芯やヘタ、茎、葉など普段人間が食べない部分は与えないようにしてください。お菓子類やお茶類、酒類、漬物類も当然与えないでください。※9
そして、犬にも食物アレルギーはあります。
はじめての食材を与えたあとはよく観察をしてください。与えすぎにも注意をしましょう。
フードをダイエットに効果的なものに移行する方法
犬のダイエットに効果的だといわれるフードには様々な種類がありますが、大きくわけて以下の3つがあります。
- 低カロリーフード
- 低脂肪・高繊維フード
- ダイエットフード
低カロリーフードならば、ビタミンなどの必要な栄養をしっかり摂取できフードの量も減らす必要がありません。運動をたくさんさせられない場合に良いフードといえるでしょう。
低脂肪フードは、脂質異常症の犬はもちろん、からだに脂肪がついてきてしまった犬にはおすすめです。ただし、脂質は犬の食いつきをよくするため、低脂肪だと食いつきが悪くなる可能性も考えられます。犬の好みをよく考えて選んであげましょう。
高繊維フードは、吸収に時間がかかるため、満腹感を維持しやすく、食べる量を無理なく減らすことができます。太りやすい犬や、高繊維のものを食べた方が下痢をしにくい犬にはおすすめです。なぜなら、下痢も肥満の原因になるからです。一方で、下痢をしやすくなる犬もいます。犬の状態をよく観察しましょう。
ダイエットフードは、ダイエットを目的としたフードながらも、脂質をはじめとした栄養素はしっかりと入っています。ダイエットのためだけに作られたフードなので、一般的に効果が表れやすいといわれています。
フード選びに悩んだ際は、獣医師と相談をしてください。※10
フードを変えることが決定したら、急に新しいフードに変えるのではなく、最低でも1週間を使って徐々に移行していきましょう。
まずは1~2日間で4分の1だけ新しいものに変更します。犬の状態に問題がなかったら、次の2日間は半分を新しいフードにしましょう。
最後の2~3日間は4分の3を新しいフードに変えてみます。必ず毎日犬の便や皮膚、粘膜などを観察し、アレルギーがないか、おなかを壊していないかなどをチェックしてください。
問題がなかったら、完全に新しいフードに移行をして、体重の変化を確認していきましょう。
そして、90日以内に体重が落ちて来なかったら、まずは1日の摂取量をもう一度確認し、それでもだめな場合はフードを見直してください。※11
犬のダイエット方法~運動編~
摂取カロリーが消費カロリーよりも多ければ太ります。これは犬に限ったことではありません。
人間ならば、太って来たら自分でコントロールができますが、犬は飼い主に左右されます。犬が太ってきたら、摂取カロリーと消費カロリーを見直しましょう。
ウォーキングと散歩の違い
人間が体重を落とす場合、「散歩」は選びません。「ウォーキング」を選ぶでしょう。
これは、歩くスピードに違いがあります。
犬の年齢や関節の状態を考えて行う必要はありますが、アメリカのペット肥満予防協会が推奨している歩行の速度は、1.6km程の道のりを12~17分間です。
これを目安に、日常の散歩とは別に行ってみてください。※12
1日で必要な運動時間
犬にとって最適な1日の運動量(時間)は、30分間です。※11
散歩に取り入れられる運動
日常で行う散歩に、階段や坂道を取り入れてみてください。階段や坂道を歩くことで筋肉がつき、筋肉がつくことで代謝をあげることができるため、結果的に消費カロリーを増やすことができます。
ただし、絶対に無理はさせないでください。肥満犬は関節や心臓、呼吸器に問題を抱えていることが多いため、階段や坂道は負担です。少しずつゆっくりいって、階段や坂道を取り入れない日も作ってください。※13
階段や坂道が厳しい場合は、散歩で歩くペースに強弱をつけるだけでも良い刺激になります。※10
遊びと運動
水泳やボール遊び、頻繁に呼ぶ、室内アスレチックも立派な運動です。
楽しく運動させれば犬にとってもストレス解消になるので、犬の好みや年齢などに合わせて選んでみてください。
どうしても外に出られない犬には、トレッドミル(犬用のルームランナー)もおすすめです。※11.13
やってはいけない危険なダイエット
ここまで食事と運動の観点から犬に最適なダイエット方法を解説してきましたが、逆にさせてはいけない危険なダイエット方法も存在します。
過度な運動
まず、肥満の犬に過度な運動は危険です。
肥満犬は関節や心臓、呼吸に問題が出やすいため、必要以上に長時間運動をさせたり、激しい運動をさせたり、急に運動量をあげたりすると、命に関わる可能性すらあります。
運動は無理なく行いましょう。
急な食事制限
食事の量を減らすならば、徐々に減らす必要があります。
例えば、いきなり適正量の半分しか与えないなど、急に食事量を減らすと空腹時の嘔吐が増えるうえに、肝臓に負担がかかるからです。
肝臓にはエネルギーを貯蔵してあります。急に摂取されなくなった分を肝臓から持って来ようとするため、負担がかかってしまうのです。※13
栄養失調
過度に食事を減らしてしまうと、当然栄養失調にもなります。
さらに、ダイエットのためにと手作り食に切り替えた場合、うまく栄養のバランスが取れていなければ栄養が偏り、結果的に栄養失調を招きます。
総合栄養食であるペットフードを適量与えていれば、栄養失調になることはありません。ただし、持病やアレルギーがある犬の場合や、ダイエットフードを嫌がって食べない犬の場合は獣医師とよく相談をしたうえでフードの原材料を確認し、再度選び直してください。※13
リバウンド
犬も人間と同様にダイエットに成功するとリバウンドの可能性があります。
やせたからといってすぐに生活を元に戻さずしばらくはダイエット食と運動を続けましょう。
結果を急がない
ここまで解説してきたように、急に激しい運動をさせたり食事を制限したりすると健康に支障が訪れます。
これはダイエットだけではなく、食欲不振でも起こりえるため、犬の状態をよく観察してあげてください。
犬にとっての1kgは、人間にとっての1kgよりもはるかに大きく、ダイエットには時間がかかります。
目安のダイエット目標期間を3~6カ月に定め、ゆっくりと行ってください。
持病がある犬や老犬の場合は特によく獣医師と相談し、無理のない段階的なダイエットを行いましょう。※11
まとめ
- BCS(ボディコンディションスコア)で自分の犬にダイエットが必要がどうかの判断ができる
- 犬の肥満原因は、摂取カロリーが運動量を上回っていること、去勢避妊手術、甲状腺機能低下症などの病気の3つが主
- 肥満は尿路結石や膀胱結石、膵炎、糖尿病、脂肪肝、関節炎、気管虚脱、チアノーゼ、熱中症、失神などの病気にもかかりやすくなる
- 数グラムの誤差も毎日続くと肥満の原因になるため、きちんと測って与えること
- おやつも食事も1回に与える量を減らし、与える機会を増やす
- 野菜や豆腐でのかさましは効果的
- ダイエットに適切なフードはたくさんあるため、犬に最適なものを獣医師とともに選ぶこと
- 運動は散歩中にできるものから、遊びの中でできるものまで幅広くあるため、愛犬の年齢や好みに合わせること
- ダイエットは結果を焦らず、長期的な目線で行うこと
よくあるご質問
-
Q
犬のダイエットで気をつける点はありますか?
A過度な運動や急な食事制限、栄養失調に気をつけて対応しましょう。
-
Q
お散歩中にできる運動はありますか?
A坂道や階段を取り入れたり、歩くペースに強弱をつけたりがおすすめです。
-
Q
ダイエットフードを食べてくれません
A一気に変更しようとせず、徐々に移行していきましょう。
※1:環境省_パンフレット「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」 [動物の愛護と適切な管理](2021/5/21)
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808.html
※2:犬のダイエット|適正体重やフード、肥満予防について解説【獣医師監修】(2021/6/18)
https://www.anicom-sompo.co.jp/inu/2474.html
※3:獣医さんが教える犬の肥満が危険な4つの理由(2019/2/27)
https://serai.jp/living/355407
※4:犬の気管虚脱 | ふなばし動物医療センター | かつまペットクリニック
https://katsuma-pc.jp/byoki/respiratory/vol1.html
※5:【犬編】第4回:食源病|ペットの食事学 | 共立製薬株式会社
https://www.kyoritsuseiyaku.co.jp/owner/knowledge/syokuji/dog4.html
※6:犬のダイエットに効果的な食事を栄養管理士が解説 | ペトコト(2022/10/27)
https://petokoto.com/articles/2233
※7:犬のダイエット方法~食事・おやつ編 | 犬のココカラ(2017/1/30)
https://www.green-dog.com/cocokara/food-dog_food/worries/how-to-help-your-overweight-dog-lose-weight-56/
※8:犬がダイエットできる野菜7選【簡単にできる方法も解説】レシピあり(2021/6/24)
https://marimo-vet.com/blog/inu-diet-yasai/
※9:犬が食べてはいけない危険な食べ物とは? | ペット保険のPS保険
https://pshoken.co.jp/note_dog/dog_ngfood/
※10:【獣医師監修】犬のダイエット方法は? 肥満の基準と減量法を解説(2023/8/3)
https://www.min-breeder.com/magazine/15344
※11:【獣医師監修】理想的な犬のダイエット方法肥満の基準や成功ポイントについて解説
https://www.peppynet.com/library/archive/detail/877
※12:Dog Weight Loss Information — Association for Pet Obesity Prevention
https://www.petobesityprevention.org/weight-loss-dogs
※13:犬のダイエットを成功させる方法は?食事・運動それぞれのコツを解説【獣医師監修】(2023/3/14)
https://www.wanqol.com/articles/diet_02
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※1当社運営ペット葬儀サービスに対するお客様アンケート:詳細はこちら ※2 弊社運営ペット葬儀サービス全体のお問い合わせ件数
この記事の執筆者
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
2017年よりライターとして活動中。子供の頃から動物好きで、猫、ハムスター、うさぎの飼育経験あり。現在はシーズー犬と一緒に暮らしている。犬は他の動物と比べて人間と密な生活になるため、ペット関係の資格を取得した。
運営元情報
サイト名 | : ペトリィ 小さな家族のセレモニー |
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