2022.02.25
2023.09.11
老犬がご飯を食べない理由とは?飼い主にできる工夫を紹介
老犬がご飯を食べない場合、成犬時とはまた違った理由が考えられます。
理由に合わせて、ご飯の与え方を工夫すると、食べてくれる場合があります。
この記事では、老犬がご飯を食べない理由や対処方法、病気との見分け方などを詳しくまとめました。
老犬がご飯を食べない理由
老犬になると、食が細くなる傾向が強く、健康面や栄養面といった、食に関するトラブルに悩まされる飼い主さんは少なくないでしょう。
老犬がご飯を食べない際に考えられる理由は、以下の通りです。
- 運動量・基礎代謝の低下
- 好みが変わる
- 食欲がなくなる
老犬がご飯を食べない際には、なぜ食べないのか原因を突き止めることが対策に繋がります。※1
運動量・基礎代謝の低下
犬も高齢になると基礎代謝の低下や筋肉量の衰えから、運動量が低下しがちです。
高齢犬には、筋肉を維持するために良質のたんぱく質を摂取することや、運動量低下を防ぐために肥満の予防が大切です。
筋肉量が増えれば運動量や基礎代謝が上がり、食用増進に繋がります。
老犬になっても、歩けるうちは積極的に散歩に連れていくことも大切です。
好みが変わる
犬は高齢と共に嗅覚や味覚が低下していくため、好みが変わることがあります。
フードを替えてみることで、食べてくれる場合があります。
また、愛犬の大好きなおやつ(犬用の煮干しやジャーキー、ささみなど)をフードの入った袋の中に入れて置くと、香りがフードにつき、食べてくれる場合もあります。
ほかにも、犬用のふりかけやウェットフードを少量トッピングする方法も有効です。
食欲がなくなる
高齢になると、唾液の分泌や消化吸収といった、消化器官全体の働きが弱まります。
結果、食欲自体が減少してしまいます。
香りの強いウェットタイプやパウチタイプをトッピングする、ドライフードからウェットタイプに変える、いつものフードに香りづけをするなどして、少しでも食欲をそそる工夫をしましょう。
また、老犬になると思い通りに体が動かない、気持ちのコントロールがしにくいなどのストレスから、ご飯を食べなくなることがあります。
この場合は、飼い主さんがなるべく愛犬の目の届く範囲にいて、愛犬が安心しながらゆっくり過ごせる環境作りを心がけることが大切です。
病気との見分け方は?
老犬がご飯を食べない場合、病気の可能性もあります。
病気になると、食欲不振以外にも症状が見られることが少なくありません。
食欲不振に繋がる病気の症状は、以下の通りです。 ※2
- 下痢、便秘
- せき、発熱
- 尿が出にくい、排尿痛、血尿、飲水量の異常な増加
- 口臭がきつい、よだれを垂らしている、口内炎
- お腹が張る
- 呼吸が荒い
呼んでも反応が薄い、元気がない
いつも元気な愛犬が、食欲不振と共に元気がない場合には、内臓疾患などの病気である可能性があります。
いつも元気なのに呼びかけに反応がない(弱い)、動かない場合は、病気のサインかもしれません。※3
下痢や嘔吐
ご飯を食べない際に見られる下痢や嘔吐は、消化器系疾患の可能性があります。
症状が見られた場合、嘔吐物や下痢便に血液が混ざっていないかなど、色や状態を観察することも大切です。
症状が続くようであれば、脱水症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
水を飲まない
水も全く飲まない場合には、重度の歯周病や口内炎といった、口腔内の異常が原因になっている可能性があります。
歯周病などの口腔疾患は、放っておくと悪化するものもあるため、早めに動物病院へ相談しましょう。
食べないときに試したい方法
老犬がご飯を食べてくれない場合、なるべく食べやすくすることや、食欲を増進させてあげることが必要です。
ここでは、老犬がご飯を食べないときに試したい方法を紹介します。※4
フードを温める フードを温めると、香りが強くなり食欲を促す効果が期待できます。
犬は味覚よりも嗅覚で美味しそうと判断するため、香りが強い食べ物に興味を示す傾向にあります。
温める方法は電子レンジや湯船でも構いませんが、フライパンで炒った方が香りも強く食感も良くなるためおすすめです。
ただし、温めすぎるとフードの栄養素が壊されしまうこともあるため、人肌程度が理想です。
柔らかくする
ドライフードなど硬い物を食べることが難しい場合には、お湯でふやかして柔らかくすることで、食べやすくすることができます。
また、お湯以外にもささみなどのだし汁や、犬用のスープで代用しても構いません。
フードを柔らかくすることは、消化が良くなることや、水分補給も同時に行えるなど多くの利点もあります。
フードを変える
シニア用のドッグフードといっても、様々な商品が販売されています。
商品によって主原料や香り、粒の大きさ、硬さなどが様々です。
老犬におすすめのフードを選ぶポイントは、以下の通りです。
- シニア用である
- 粒が大きすぎない
- 主原料は肉か魚
- 穀物(トウモロコシ、小麦、米)は極力使わない
- 人口添加物の使用がない
また、ドライフードを食べない場合には、ウェットタイプやパウチをトッピングしてみる方法もあります。
ウェットタイプ(総合栄養食)を好んで食べるようであれば、思い切ってウェットタイプに切り替えしてしまう方法も検討してみましょう。
食器の高さを調整する
老犬になると気管が弱ってくるため、立った状態で食事を摂ると、誤飲誤食してしまうことがあります。
食事や飲水のたびにむせている場合は、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。
対策としては、犬用の食器台を使用することで、首をあまり下げなくても食事をすることが可能になります。
食器台の高さは、犬の肩の高さを目安に選ぶと良いでしょう。
食欲不振の際におすすめのドッグフード
高齢犬の食欲不振の緩和や食欲を維持するためには、フードの質を見直すことも大切です。
シニア向けのフードといっても、様々な種類が販売されており、どの様な基準で選べば良いか迷ってしまう飼い主もいらっしゃると思います。
高齢犬に与えたいフードの内容は、以下の通りです。
- 良質な動物性たんぱく質を原材料の50%以上使用
- グレインフリー(穀物不使用)
- 人口添加物無添加(着色剤、保存料、香料、フレーバー、酸化防止剤など)
- 不飽和脂肪酸やコンドロイチンなどシニア向けの補助食品が添加されている
- ヒューマングレード (人間でも食べることのできるレベルの食材を使用)
市販されているドッグフードのなかには、価格を優先して作られているフードもあります。
高齢犬の食事内容には、高たんぱく低脂質、消化が良い、栄養補助添加のあるフードがおすすめです。
良質なフードを探すには、原材料や成分表を確認して、安全で栄養満点なフードを選びましょう。
人間の食べ物を与えても良い?
人間の食べ物を与える際には、加工品ではなく食材を与えます。
例えば、鶏むね肉やささみ、さつまいも、キャベツなどは犬にも与えることができます。
しかし、ネギ類など与えると危険な食材もあるため注意が必要です。
また、求められるとからとパンや白米といった食べ物を与えるのは、最終手段です。
獣医師と相談してから、食べさせるか検討をすると安心です。※5
手作りする場合のおすすめ食材
市販のフードを食べてくれない場合は、ご飯を手作りする方法もあります。
しかし、栄養バランスの整った食事を、毎日作り続けるのは、かなりの手間とお費用がかかります。
老犬用のご飯を手作りする場合は、市販の総合栄養食に犬が食べても安全な食材をトッピングする方法が、手軽でおすすめです。
トッピングにおすすめの食材は、以下の通りです。
キャベツ
食物繊維、ビタミンCが豊富。
さっと茹でるか、生を細かく切って与える。
アスパラガス
血流改善、疲労回復に良い栄養素が配合されている。
硬めに茹でて、細かく刻んで与える。
魚(シャケ、マグロ、タイ、カツオ、サバ、サンマなど安全な種類)
たんぱく質、カルシウム、血液サラサラ効果、認知症予防に良いDHA・EPAなど高い栄養価がある。
与える際は必ず火を通し、味付けをせず骨を取り除いて与える。
加工してある塩漬けや味付きのものは避けること。
鶏むね肉、ささみ
良質なたんぱく質を豊富に含む食材。
必ず火を通し、味付けをせず細かくちぎって与える。
さつまいも
食物繊維が豊富、低GI、甘みがある
火を通して柔らかくしてから与える。
どの食材も、正しい調理方法で与えることや、少量を与えて体調を崩さないか様子を見ることが大切です。
全く(ほとんど)食べない場合は動物病院へ相談する
食事を全く(ほとんど)受け付けない状態が続くことは、脱水症状や栄養失調に繋がり危険です。
老犬が食事を全く摂らない場合には、動物病院へ相談するようにしてください。
強制給餌について
老犬が自ら食事や水分を摂ることができない場合には、飼い主さんがシリンジや指を使って、強制的に食事を与える「強制給餌」をする方法もあります。
しかし、強制給餌はコツがいることや、愛犬にとって負担やストレスになることもあるため、行う際には素人判断せずに、強制給餌を行う必要があるか、獣医師に相談するようにしましょう。
こちらの記事もご覧ください
まとめ
- 老犬がご飯を食べない場合、運動量・基礎代謝の低下、好みが変わる、食欲がなくなるなどの理由が考えられる
- 病気の場合は食欲不振以外にも症状が見られることが多い
- 食べないときにはフードを温める、柔らかくするなどの対策を試みる
- 全く食べない場合は動物病院へ相談する
犬も医療の発展などにより、高齢化が進んでいます。
高齢になると、食事や病気、介護の問題など、成犬時に比べ飼い主さんの手助けを必要とすることが多くなります。
老犬の介護は大変ですが、子犬期、成犬期と私たちにたくさんの幸せを与えてくれた老犬には、感謝と慈しみを感じながら、最期まで責任をもって飼育をすることが大切なのではないでしょうか。
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-
Q
おやつだけでも大丈夫ですか?
Aおやつでは栄養不足ですので、総合栄養食」と記載のあるフードを与えるようにしてください。
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Q
ウェットフードだけでも大丈夫ですか?
A「総合栄養食」と記載のあるものならば問題ありません。
※1:シニア犬・老犬が食べない
https://cutia.jp/rouken-meal.html
※2:老犬がご飯を食べない時はどうすれば?飼い主ができる食事の工夫と考えられる病気、注意点について解説【獣医師監修】
https://www.wanqol.com/articles/senior_not_eat_01
※3:犬がご飯を食べない…~4つの理由と対策、病気かどうかのチェックポイント~
https://www.i-sedai.com/pet/column/dog/D0105.html
※4:老犬がごはんを食べない! 飼い主にできる食事の工夫と注意点
https://www.min-petlife.com/258363
※5:食事を食べない老犬の食欲をうながす手作りごはんとおすすめ食材5つ
https://www.green-dog.com/cocokara/senior_dog/senior_dog_food/home_made-food-for-old-dogs/
※1当社運営ペット葬儀サービスに対するお客様アンケート:詳細はこちら ※2 弊社運営ペット葬儀サービス全体のお問い合わせ件数
この記事の執筆者
原 京子氏
動物看護士
ライター
原 京子氏
動物看護士
ライター
24時間急患対応の動物看護士として勤務。
その後、動物園飼育スタッフやペットショップ生体販売員など数多くの動物業界を経験し、現在はペットと飼い主さんへwebライターとして正しい知識を配信している。
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