ペットの火葬を持ち込みで依頼できる場所や方法・注意点を解説

ペット火葬の持ち込み先は3つあります

ペットが亡くなったあと、火葬のために持ち込みができる場所は以下の3カ所です。

1. ペット霊園
2. 自治体の斎場
3. ごみ処理施設

1.ペット霊園に持ち込む

ペットのご遺体は、民間のペット霊園に持ち込むことができます。
ペット霊園なら、火葬をしたあとそのまま納骨をすることも可能です。ただし、ペット霊園は霊園ごとに設備やサービスが違います。思っていた葬儀と違ったがないよう事前に気になることは質問しましょう。

また、ペット霊園にはペットの持ち込みで葬儀費用が安くなる霊園もあります。※1

2.自治体の斎場に持ち込む

地域によっては人の火葬も行う自治体の斎場でペットの火葬ができますが、斎場ではできない自治体もあります。事前に調べることが大切です。

例えば…

・群馬県桐生市の場合は、20kg未満のペットなら予約制で人の火葬も行う桐生市斎場が使えます。ただし、火葬の種類については電話での確認が必要ですし、骨壺は持参する必要があります。※2

・神奈川県横浜市では、人の火葬を行う市営斎場のうち、戸塚斎場でのみペットの火葬が可能です。さらに、個別火葬と合同火葬の2つから火葬の種類を選べます。※3

・青森県五所川原市の場合は、自治体にペット専用の火葬場があります。※4

・東京都新宿区の場合は自治体でのペット火葬は行っておらず、清掃センター（ごみ処理施設）でごみと一緒に焼却処分されます。※5

・愛知県名古屋市では、人の火葬も行う八事斎場と環境事業所（ごみ処理施設）での焼却処分から選べます。受付時間は前8時45分から午後5時00分と限られています。※6

・東京都武蔵野市ではペットの火葬自体を行っていません。※7

このように、自治体によって対応がさまざまなので、持ち込む前に必ず電話やホームページなどで確認をしてください。

3. 廃棄物としてごみ処理施設に持ち込む

「2.自治体の斎場に持ち込む」で少し触れましたが、自治体によっては斎場（火葬場）での火葬を行わず、ごみとして焼却処分をするところもあります。
この場合でも手数料がかかり、金額は自治体によって変わります。

例えば…

・東京都八王子市の場合は1体につき1,000円です。予約制の収集を依頼する場合は、1体につき2,500円となり、持ち込みの方が安くなります。※8
・千葉県千葉市の場合は持ち込みなら1体につき500円（税別）、引き取りを利用する場合は1体につき1,000円（税別）です。※9

また、自治体に持ち込む場合、こうしてごみとして焼却処分をする自治体と、自治体の斎場が使えるところの2通りを紹介しましたが自治体が民間に委託をするタイプもあります。こうした自治体の場合は、ペットの体重が25kg未満に限られるところもあるので、注意をしてください。

例えば、東京都渋谷区や大田区、目黒区、千葉県我孫子市、大阪府大阪市などは、清掃事務所やクリーンセンターがペットを引き取ったあと、委託先の動物死体処理業者や霊園業者で合同火葬し、ご遺骨は合同埋葬されます。

金額は以下のとおりです。
・東京都渋谷区：1体につき3,000円※10
・東京都大田区：1体につき3,100円※11
・東京都目黒区：1体につき3,000円※12
・千葉県我孫子市：1体につき6,600円※13
・大阪府大阪市
5kg未満：1体につき1,700円
5kg以上10kg未満：1体につき2,100円
10kg以上：1体につき2,800円
※14

ペットの安置・保存方法と運び方

ペットが亡くなったら、ご遺体を安置・保存します。その後で火葬施設を探し、持ち込みを行います。
まずは、ご遺体の安置・保存方法を確認しましょう。

遺体の安置・保存方法

ペットが亡くなったら、できるだけ腐敗を遅らせる必要があります。

ご遺体をタオルなどでからだをきれいに清めてあげてください。
毛並みを整え死後硬直がはじまる前に四肢を軽く曲げ寝ている状態にしてあげましょう。こうすることで棺（箱）に入れやすくなります。
死後硬直が始まっている場合は、無理に動かすと骨折する可能性があるので硬直が解けるまで待ちましょう。硬直後一日程度で動かせます。

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ご遺体の下に新聞紙やトイレシート、タオルなどを敷きましょう。
さらに、腐敗は頭とおなかから始まるので、そこを中心にタオルに包んだ保冷剤を置きます。
棺（箱）があればご遺体の下に敷いたトイレシートや保冷剤も一緒に箱の中に入れてください。棺（箱）に入れる方が、保冷剤の効果が続きやすくなります。

そして、棺（箱）あるいはご遺体ごと冷暗所に移し、安置をしてください。
遺体を運ぶ場合もこのまま運びます。夏場は冷房を使用しましょう。

ペットを火葬場に運ぶ前に確認するべき注意点

ペットのご遺体を運ぶ前に、火葬施設がどのような棺（箱）に対応しているかを確認してください。

例えば…

・神奈川県横浜市の場合、市販・手作りに関わらず棺は利用できません。箱の底にポリ袋等を敷いた段ボール箱に入れる必要があります。※3

・愛知県名古屋市の場合は、プラスチック容器や木製の棺（箱）の使用はできません。ダンボールなど紙製の箱に入れる必要があります。さらに、底が抜けないように、ひもを十字（または二の字）にかけておく決まりがあります。※15

・東京都町田市の場合は、紙製の箱に入れて封をする必要があります。※16

ペット霊園に関しても、炉台にタオルを敷いて火葬をするため、特に箱が必要ではないケースもあります。燃え残りなどが少ない桐製の棺を購入できる施設もあります。※17

こうした情報を事前に確認してからペットを運ぶようにしてください。

ペットを運ぶ方法

ペットを霊園や自治体の斎場などに運ぶ際、徒歩圏内ではない場合は、車の使用が一般的です。腐敗していない小さなペット（猛獣およびへび類は不可）ならば一部公共交通機関において利用可能なところもあるようです。

この場合は、ケージやキャリーケースなどで運べます。電車に乗る際は、ペットの分の賃金も忘れずに支払ってください。（都営地下鉄など無料の路線もあります）
また、各電鉄会社により使えるケースのサイズやタイプが限られています。使用する路線でお手持ちのケースが利用できるかどうかは必ず確認をしましょう。

例えば、JR西日本と東日本・JR九州・京急電鉄・阪急電鉄は以下のような規定です。

• 3辺の合計が120センチ以内の動物専用のケースに全身が入っている
• ケースと動物を合わせた重さが10kg以内
• 小犬、猫、ハトまたはこれらに類する小動物のみ
• 普通手回り品切符（1ケースごとに290円）を購入すること
• ドッグスリングは、全身が入っていても不可

※18

都営地下鉄の場合は以下のとおりです。

• 3辺の合計が250cm以内・重さ30kg以内のもの2個まで（無料）
• ペット等の小動物については、完全なケースに入れた状態にすること

※19

小田急電鉄は、仔犬・ハトまたは、これらに類する小動物で以下の条件を満たしていれば無料で車内に持ち込めます。

• 長さ70cm以内、最小の立方体の長さ、幅および高さの和が90cm程度の容器に収納したもので、かつ他の旅客に危害を及ぼし迷惑をかけるおそれがないと認められるもの。
• 容器に収納した重量が10kg以内のもの

※20

そして、電車やバスで移動するときは、他人の目にご遺体が入らないよう、ふたをする・毛布をかけるなどの配慮が必要です。さらに、臭いや体液などのもれについても気を付けなければなりません。
公共交通機関においては、「不潔又は臭気を発するもの」の持ち込みができない旨が一般的に定められており、そのため、必ず汚れや臭いがもれないよう、心を配ってください。段ボール箱よりも発泡スチロールなどの箱の方が臭いや汚れがもれません。お尻にはおむつをするのも良いでしょう。

タクシーに乗る際は事前に動物のご遺体を運びたいことも伝えましょう。タクシー会社によっては断られることもあるので、事前に電話で確認をしてください。

自動車の場合は安全運転を心がけ気持ちが運転に向かない状態であれば、家族や知人に運転を頼むことや、タクシーを利用することも考えてください。
ペットはクレートやキャリーケース、カーシート用ペットベッドに寝かせるのが一番安全です。シートベルトを利用して動かないように固定しましょう。

こうしたグッズがない場合は、棺や段ボール箱、衣装ケースなどにペットを寝かせ、ご遺体が動かないようにタオルなどで隙間を埋めてください。できればさらに、箱をシートベルトで固定するか、飼い主の膝の上に乗せる、あるいは隣に座って支えるなどして動かないようにします。
そのためにも、できれば運転手の他にもうひとりいれば、車の中でペットを入れた箱などを支えられるので、安全に移動できるでしょう。

大型犬などどうしても箱に入らない大きさのペットの場合は、毛布やタオルなどで包んだ状態で、棺がなくても火葬が可能かどうかを施設に問い合わせてください。
もし可能であれば、毛布やタオルなどでご遺体を包み、トランクや後部座席に寝かせます。後部座席の場合は誰かが隣に座って落ちないように支える必要があります。
トランクに入れる際は、ご遺体が動かないように隙間をタオルなどで埋めましょう。

どのような運搬方法をとるにせよ、振動でご遺体から体液などが漏れることがあります。トイレシートなどを敷いておくことも忘れないでください。※21

ペットを持ち込む際の注意点

どの施設に持ち込むにせよ、ペットを持ち込む際には注意点があります。
事前に確認をしてから持ち込みをしてください。

事前予約が必要な施設もある

自治体、あるいはペット霊園によっては事前予約が必要な施設もあります。
持ち込みだからと言っていきなり火葬ができるわけではないので、事前確認をしてから持ち込むようにしてください。

大型犬や極小動物に関する注意

多くの自治体は25kg未満の犬猫しか扱っていません。ペット霊園の場合も、大型犬や極小動物に対応していない場合もあります。
これは、火葬設備の問題なので、こうしたペットの火葬をしたい場合は必ず事前に問い合わせることが必要です。

棺に入れられるものは限られる

人間の場合、棺に花などの他に故人の愛用品などを入れることがありますが、ペットの場合も同じく棺に花やタオルなどを入れられる施設もあります。

ただし、どの施設でも燃やすと有害物質が発生する可能性があるプラスチック製のものや化学繊維、ガラス、金属製品、ゴム、陶器などは入れることができません。

その他の副葬品については施設により対応が変わります。必ず事前に確認をしてください。

例えば、東京都港区は副葬品を一切受け付けていません。※22
北海道札幌市は、お花以外の副葬品は入れられません。※23
東京都練馬区、神奈川県横浜市ならば、ご遺体を包むタオルや献花などの可燃物ならば、少量であれば入れることが可能です。※24
愛知県名古屋市は、少量の生花・乾いた食べ物・紙類なら入れられます。※15

あるペット霊園では、生花や少量のフード、手紙、タオルは副葬品として入れることが可能ですが、厚手のタオルケットや毛布、布団、座布団など中綿の入っているものは不可とされています。※17

また、小動物や小型犬、猫の場合は棺あるいは火葬炉が小さいため、入れられる副葬品の量にも注意が必要です。

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斎場は人間の火葬も行うため服装などに注意が必要

自治体の斎場に持ち込む場合は、喪服で行くほうが無難です。
なぜなら、ペットの火葬は人間の火葬の合間に行うこともあるため、葬儀に来た参列者と顔を合わせる可能性があります。この場合、私服でいることをよく思わない人もいます。

ペットの火葬は必ずしも喪服の必要はありませんが、利用する施設に合わせた行動を心がけましょう。

ペットの持ち込みができないときは送迎や移動火葬を利用する

ペットの持ち込みができないときは、送迎や移動火葬を利用してください。
自治体やペット霊園には送迎があるところもあり、施設や距離によっては無料で利用できます。中には、最寄り駅までならば無料で利用できる施設や、飼い主の送迎は不可あるいは有料の施設もあります。事前に問い合わせてください。※25

また、移動火葬ならば、必ず自宅まで火葬業者が来てくれます。
移動火葬車（セレモニーカー）での火葬となるため、ペットが慣れ親しんだ自宅で火葬ができることがほとんどです。
ただし、自宅に駐車場がない場合や近隣との距離が密接である場合などは、近くの適した場所に移動して火葬をします。
どの場合でも必ず自宅まで来てくれる移動火葬なら、持ち込めないペットや飼い主の場合でも負担なく、心のこもった供養が可能です。検討をしてみてください。

まとめ

• ペット火葬の持ち込み先はペット霊園・自治体の斎場・ごみ処理施設の3種類
• 自治体によっては人が利用する斎場が使えるところ・ペット専用の斎場があるところ・ごみとして焼却処分されるところ・自治体が民間に委託するところにわかれるため、事前の確認が必須
• ペットのご遺体を運ぶ前に、火葬施設がどのような棺に対応しているかを確認すること
• 車でペットを運ぶ際は、クレートやキャリーケース、カーシート用ペットベッドに寝かせ、シートベルトを利用する方法が安全
• 徒歩・電車・バスで移動する際は、他人の目にご遺体が入らないよう、ふたをする・毛布をかけるなどの配慮が必要
• 大型犬や極小動物の火葬を扱っていない施設や、副葬品に関してルールがある施設も多いので、事前に確認をすること
• 人が利用する斎場で火葬をする際は、喪服で行く方が無難

よくあるご質問

• Q

  ペットの遺体はどこに持ち込むことができますか？

  A

  民間のペット霊園、自治体の斎場、ごみ処理場です。

• Q

  ペットの遺体はどのような状態で持ち込めばよいですか？

  A

  まずはペットのからだをきれいにしてあげて、箱に安置した状態が適切です。

• Q

  ペット霊園に遺体を持ち込こんだ場合は安くなりますか？

  A

  持ち込みで値引きになる霊園を選べば安くなる場合があります。

• Q

  ペットの遺体を運ぶ手立てがない場合はどうしたらいいですか？

  A

  移動火葬の葬儀社やペット霊園の送迎を依頼する方法があります。

• Q

  持ち込んだあと、火葬は立合いできますか？

  A

  立会火葬を選べば立ち会えます。ただし、自治体でごみと一緒に処分する際は立ち会えません。