2024.01.26
2024.02.20
ペット火葬には資格がある?動物葬祭ディレクターの概要と業者選びについて解説
現在ペット火葬業者に必須の資格はありませんがペット火葬に関連する動物葬祭ディレクターなどの資格があります。これらの資格を持った業者やスタッフがいるところを選べば、より安心してペットの火葬を依頼できるでしょう。しかし、資格を持ったスタッフがいることが必ずしも優良業者とはいえません。業者選びの一助として考えましょう。
ポイント
ペット火葬に必須の資格はありません。ただし、ご遺体やご遺骨を適切に扱えるなどの知識を擁した動物葬祭ディレクターやペット火葬管理士、ペットロスカウンセラーなどのペット火葬に関連する資格はあります。これらの資格は、業者選びの一助です。
ペット火葬選びの一助になる資格とは?
ペットは家族といわれるようになり、ペットブームも相まって、ペット火葬需要が増えた一方で、ペットの火葬に関する悪徳業者が話題になった時期もありました。
高額請求や近隣とのトラブル、ご遺体の不法投棄などが主な内容で、飼い主の気持ちに寄り添った対応がなされないこともありました。
一方で、一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会は、動物葬祭業界の資質の向上によって一般の動物愛護の消費者利益のため、そして、飼い主様の心情に寄り添った方法でご遺体が扱われるようになるために同協会が設立され、その具体的活動の一つとして、動物葬祭ディレクターという資格が設定されております。※1
動物葬祭ディレクター
ペット火葬に関わる業者が集まって、一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会を設立し、2010年に動物葬祭ディレクターという資格を作りました。
この資格で学べるものは、「ペットの死」や「衛生管理」「宗教」「動物愛護管理法」などに関する包括的な内容です。
資格を取得するには以下のような知識が必要です。
- 動物葬祭や火葬の歴史
- 火葬の安全な作業・火葬炉の維持および管理
- 公害防止装置
- 墓地・納骨堂の種類
- ペットロスへの準備教育
- 喪主への心遣いやホスピタリティ精神
- 人と動物の共通感染症
- ペットに関する法律
- 日本の宗教や般若心経
※2
このように、かなり幅の広い知識が求められる資格だとわかります。
2級と1級があり、2級は「18歳以上の日本人と日本の永住権のある外国人」なら誰でも受験できます。1級は2級合格者の中で「動物葬祭の実務経験が3年以上の動物葬祭業に従事する従業員および動物葬祭業を1年以上営む実務経営者」のみ受験が可能です。※3
動物葬祭ディレクターを持つスタッフや実務経営者がいるペット火葬業者やペット霊園ならば、比較的安心してペットの葬儀を任せることができるでしょう。
特に1級を持ったスタッフがいるならば、業者選定の大きなポイントとなり得ます。
ペット火葬管理士
ペット火葬協会が認定している資格は「ペット火葬管理士」です。
ペット火葬協会とは、関東甲信越から東北地方・北海道地方に及ぶペット霊園・ペット葬儀会社・ペットメモリアルグッズメーカーなどが集まった協会です。
この教会の会員になった業者は、営業拠点に「ペット火葬管理士」の認定を受けた者を1名以上選任しなければなりません。そして、「ペット火葬管理士」によるペット火葬業務に関する取引の公正の維持、安全の確保などを管理・監督しています。
さらに、試験を受ける権利は、会員なら誰でも良いわけではありません。以下のような詳細な条件があります。
- ペット火葬協会の会員(正会員)であること。
- 所属団体の長(またはそれに準ずる責任者)が推薦した者
- 所属団体を代表する任務を自覚し、実行する意欲のある者
- 実務経験が1年以上ある者
※4
この資格の主な内容は以下のとおりです。
- ペットの疾病と衛生管理
- 燃焼の知識
- ペット火葬炉の知識と保守点検
- ペットロス
- ペット関連法令
- 接客・マナーの基本
- 宗教とペット葬儀
- ペット保険の知識
※4
ペット火葬管理士の受験は、協会の会員になる必要があります。
ペット火葬管理士試験を行うペット火葬協会は、協会がセレモニープランを用意したり、さまざまな規定をクリアした業者を「優良業者」として認定したり、「あんしん補償プログラム」や「お客様相談センター」の設立も行っています。
協会の理念に賛同した業者の中からペット火葬管理士を1名以上選任しなければならないため、「何の資格もない業者」は存在しない、それがペット火葬協会の正会員となった業者といえるでしょう。
ペットロス関連資格
動物葬祭ディレクターやペット火葬管理士にもペットロスについて学ぶ事項がありましたが、より専門的に学ぶのがペットロス関連の資格です。
ペットロスの関連資格を持っている方は、ペット火葬業者やペット霊園だけが仕事先ではありません。
動物病院や動物福祉業界、ペットショップなど多岐に渡ります。
さらに、さまざまな民間団体がペットロス関連の資格を作成しているため、名称もひとつではありません。
例えば、以下のような資格があります。
- ペットロス・ハートケアカウンセラーTM・アニマル・ペットロス療法士TM:メンタルケア学術学会認定
- ペットロス検定・ペットロス・パラ(準)カウンセラー:日本ペットロス協会
- ペットロスケアアドバイザー:日本ペット技能検定協会
心理カウンセリングの中でも専門領域といえる「ペットロス」に特化した資格を持つスタッフがいれば、最愛のペットを亡くした飼い主に寄り添った対応をしてもらえるでしょう。
ペット火葬の資格は数ある葬儀業者選びの基準のひとつ
ここまでにご紹介した資格は、国家資格ではありません。全て民間資格です。
そのため、開業にあたり必要な資格ではないため、「これらの資格を持つスタッフがいる業者=優良業者」とは必ずしもいえるわけではありません。
ただし、全く何も学んでいないスタッフよりも、質が良い接客や技術の知識を持っていることは確かです。
あくまでも、業者選びの一助として扱うことが望ましいでしょう。
まとめ
- ペット火葬業者に必須の資格はないが、関連する資格は存在する
- ペット火葬選びの一助になる資格は、動物葬祭ディレクターやペット火葬管理士、ペットロス関連の資格
- 動物葬祭ディレクターやペット火葬管理士、ペットロス関連の資格を持ったスタッフがいるペット火葬業者=優良業者」とは必ずしもいえない
よくあるご質問
-
Q
動物葬祭ディレクターとはどんな資格ですか?
A一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会が提供している資格で、動物葬祭業界・葬祭サービスにおける幅広い知識・技能レベルを有していることを認めるものです。
-
Q
ペット火葬に必須の資格はありますか?
Aありません。ただし、関連する資格はあります。それは、動物葬祭ディレクターやペット火葬管理士、ペットロス関連の資格などです。これらの資格は業者選びの一助です。
-
Q
ペット火葬に資格が不要なら、自分で火葬しても良いですか?
Aペットのご遺体は法律上廃棄物として扱われるため、自身で火葬することは法律上制限されています。
※1
協会組織図 | 一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会(閲覧日:2024/1/22)
https://ndsrk.org/soshikizu/
動物葬祭ディレクター検定試験 | 一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会(閲覧日:2024/1/22)
https://ndsrk.org/director/
※2:動物葬祭ディレクター検定試験 - 資格の王道(閲覧日:2024/1/22)
https://www.shikakude.com/minsikakupaje/doubutsusousai.html
※3:検定試験・動物葬祭概論書籍申込み・お振込先のご案内 | 一般社団法人 日本動物葬儀霊園協会(閲覧日:2024/1/22)
https://ndsrk.org/furikomi/
※4:ペット火葬管理士|ペット火葬協会(閲覧日:2024/1/22)
https://petkasou-kyokai.jp/manager.html
※5:ペットロスカウンセラーになるには|資格の種類と講座の資料請求(閲覧日:2024/1/22)
https://www.brush-up.jp/guide/sc660(2023/5/24)
こちらの記事もご覧ください
※1当社運営ペット葬儀サービスに対するお客様アンケート:詳細はこちら ※2 弊社運営ペット葬儀サービス全体のお問い合わせ件数
この記事の執筆者
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
2017年よりライターとして活動中。子供の頃から動物好きで、猫、ハムスター、うさぎの飼育経験あり。現在はシーズー犬と一緒に暮らしている。犬は他の動物と比べて人間と密な生活になるため、ペット関係の資格を取得した。
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