2023.10.02
2023.12.13
大型犬の火葬で注意することとは?業者選びのポイントや費用相場も解説
大型犬を火葬したい方のために、火葬前に行うことや業者選びの注意点、費用やかかる時間など、大型犬ならではの知っておきたいことをまとめました。特に、死後硬直前に手足を折りたたんでおくことは重要なポイントです。さらに、ご遺骨の供養方法や業者選びも解説します。
ポイント
ペット火葬では体重(kg)とプランで費用が変わります。移動火葬ならば、20~25kgの犬の合同火葬で37,400円~、返骨のある火葬で40,700円~です。
火葬の時間も大きければ大きいほど時間がかかるため、15~25㎏で60~100分前後、25㎏以上で100~120分前後かかります。
また、大型犬の火葬は対応できる業者が限られます。なぜなら、大型犬のからだが入る大きな火葬炉が必要だからです。「要相談」となっている業者の場合は、大型犬の火葬を得意としていないことも考えられます。
ペット火葬における大型犬とは?
大型犬というと、チャウチャウ・秋田県・土佐犬・セントバーナード・ドーベルマン・マウンテンドッグ・シベリアンハスキー・ワイマラナーなどの「犬種」を思い浮かべます。
しかし、ペット火葬でいう「大型犬」「小型犬」「中型犬」は「犬種」ではありません。「体重(kg)」で決まります。
そのため、もともと体格が大きい犬・太ってしまった犬ならば、「小型犬」に分類されるチワワやシーズーでも「中型犬」のサイズとして火葬される可能性もあります。
逆に、痩せている犬ならば、土佐犬やシベリアンハスキーなどの「大型犬」でも「中型犬」に分類される可能性もあるでしょう。
犬を火葬する際は、「犬種」ではなく「体重(kg)」で費用や火葬にかかる時間が決まることを覚えておいてください。
大型犬の火葬費用相場
ペット火葬は、大きくわけて移動火葬と霊園での火葬(固定炉での火葬)の2種類があります。
それぞれにおける「大型犬」の費用相場をプラン別に確認してみましょう。
ペット火葬のプランは大きく分けて以下の3つがあります。
引き取り合同火葬 | 引き取り個別火葬 | 家族立ち会い火葬 | |
---|---|---|---|
返骨 | なし | あり | あり |
火葬の立ち会い | なし | なし | あり |
家族によるお骨上げ | なし | なし | あり |
移動火葬
まず、移動火葬は、セレモニーカーと呼ばれる火葬炉付きの車で火葬をするサービスです。
移動火葬の費用相場は以下です。
引き取り合同火葬 | 引き取り個別火葬 | 家族立ち会い火葬 | |
---|---|---|---|
20~25kg | 37,400円 | 40,700円 | 42,900円 |
25~30kg | 42,900円 | 46,200円 | 48,400円 |
30~35kg | 49,500円 | 52,800円 | 55,000円 |
35~40kg | 56,100円 | 59,400円 | 61,600円 |
40kg以上 | 62,700円 | 66,000円 | 68,200円 |
※ペトリィ料金表より抜粋
このように、「犬種」ではなく「体重(kg)」で記載されるのが、ペット火葬の費用です。参考として「犬種」を記載していることもありますが、あくまでもそれは「例」であり、必要な情報は「体重(kg)」です。
ペット霊園での火葬
ペット霊園での火葬は、ペット霊園やペット可の寺院などで行われます。
また、そのまま霊園に納骨をする・しないでも価格が変わることも覚えておきましょう。
ここでは火葬のみのプランで費用を書き出します。
引き取り合同火葬 | 引き取り個別火葬 | 家族立ち会い火葬 | |
---|---|---|---|
20~25kg | 26,400~36,850円 | 38,500~61,600円 | 44,000~77,000円 |
25~30kg | 28,600~47,300円 | 41,800~71,600円 | 47,300~88,000円 |
30~35kg | 33,000~47,300円 | 47,300~71,600円 | 52,800~88,000円 |
35~40kg | 33,000~47,300円 | 52,800~71,600円 | 58,300~88,000円 |
40kg以上 | 44,000~47,300円 | 52,800~71,600円 | 58,300~88,000円 |
※1
大型犬の火葬にかかる時間
火葬の所要時間も、費用と同じく犬の体重によって前後しますので、どのくらいかかるのかを確認してみましょう。
- 15~24㎏:60~100分前後
- 25㎏以上:100~120分前後
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ここではあくまでも、ご遺体に火を入れて火葬をしている時間のみ記載をしています。
また、夏場・冬場などの季節、地域、火葬炉の性能などによっても時間は前後します。プランや季節によっては余裕を持っておくことと、ペット火葬業者に確認しておくことをおすすめします。
火葬業者選びの注意点
大型犬の火葬に限らず、すべてのペットに言える以下の5点を解説しましょう。
- ホームページに運営会社情報や会社概要に、連絡ができる代表者名や住所、電話番号が掲載されてる
- 価格表記が明瞭か・相場相応の価格
- 口コミがあるか、口コミは星や点数だけでなく内容もきちんと読む
- ペットを飼い主様の宗教・宗派で弔いたいならば、その宗教・宗派に対応しているか
- 電話の対応は飼い主様に寄り添った対応か、知りたい情報をはっきりと伝えてくれるか
ホームページを確認
ホームページがあることはもちろん、企業情報や運営会社の情報が掲載されていることが前提です。
運営会社情報あるいは、その店舗の会社概要を確認し、代表者名や住所、電話番号など、何かあったときに連絡ができるようになっていることを確認してください。
価格表記の確認
プランごと、ペットの体重ごとに全ての金額が明瞭に記載されているでしょうか?
特に大型犬は「要相談」となっている業者も存在します。この場合はそもそも大型犬に対応できるのかを質問してください。
そして、価格は相場相応かどうかを確認します。相場を大きく下回る際や、上回る際はなぜなのかを確認し、理由がない場合はその業者を避けましょう。
口コミの確認
インターネットで口コミを確認することも大切です。
星の数や点数だけではなく、内容まできちんと読んで判断をしてください。
さらには、口コミには悪い面と良い面、価格帯など判断材料になるものが投稿されています。
その業者のことを知るために、よく読んで確認をしましょう。
ただし、口コミが全て正しい情報で投稿されているわけではありません。
例えば、同じような褒め言葉が多い、悪い点数が一切ない等場合は注意が必要です。口コミは判断材料の一つとして鵜呑みにしないようにしましょう。
希望の宗教・宗派で葬儀が行えるかの確認
ペットを飼い主様の宗教・宗派で弔いたいと考えているならば、その宗教・宗派に対応をしているかどうかを確認してください。
電話対応の確認
相談員はペットを亡くした飼い主様に寄り添った対応をしているでしょうか?言葉遣いは丁寧か、知りたい情報をはっきりと伝えてくれるかなどを振り返って確認をしてみてください。
少しでも違和感を覚えるようなら他の業者に依頼をしましょう。
最愛のペットとのお別れは最後にしてあげられる唯一のことです。
悔いのないお別れをするためにも、少しでも気になる点があれば違う葬儀社を検討するほうが無難です。
移動火葬の注意点
次に、移動火葬で大型犬の火葬を希望している際に、業者選びで注意をしなければならない点を確認します。
まず、移動火葬は車に積んだ火葬炉で火葬をするため、大きな犬を入れられる火葬炉を搭載した車があるかどうかを確認してください。
これは、業者によって持っている車の種類が違うため、必ず尋ねるようにしてください。
移動火葬の際は車を停めて火葬をするという特徴から、近所の目が気になる場合や、近所の方が気にする場合があります。
近年のセレモニーカーはじゅうぶんな設備が搭載されてはいますが、臭いや煙もゼロではありません。
ペットちゃんが住み慣れた自宅で火葬ができることはとても喜ばしいことではありますが、「飼い主様がここでやってほしい」という希望を出しても、駐車場に屋根がある、近隣との距離が近すぎる、などの安全性が確保できない理由により希望がかなわない場合もあります。
もしも自宅ではできないと判断されたなら、他の土地で行う必要があります。
ペット火葬業者の中には、自宅での火葬ができない場合に備えて、事前に火葬が可能な場所を確保してくれる業者もあります。※2
ペット霊園での火葬の注意点
ペット霊園やペット可の寺院で火葬をする際は、まずは大型犬を運ぶ車について確認してください。
自分で霊園に行く場合
・霊園に駐車場があるか
・霊園まで車で行けるのか
霊園に送迎を依頼する場合
・霊園から迎えがくるか
・送迎費用について
火葬をした後納骨を考えているならば、交通の便はもちろん、管理費はいくらか、他のペットを連れて行けるのか、飼い主さまが亡くなった後の供養はどうなるのかを必ずチェックしてください。
また、建物の清潔感、スタッフの対応も忘れずに確認しましょう。
そのため、できればペットが元気なうちに一度見学に行くことをおすすめします。
ペットも連れて行くことで、スタッフがかわいがってくれるかどうか、ペットがその霊園を気に入るかどうかも確認できます。
大型犬を火葬する際の流れと注意点
大型犬を火葬で弔う際の大きな流れは、からだを清める→安置→火葬業者の手配→火葬→ご遺骨の供養です。
火葬自体の流れはプランにもよりますが、以下のとおりです。
- お迎えまたはペット霊園に移動
- 葬儀付きプランの場合は葬儀
- お別れ
- 火葬
- 火葬炉の冷却→合同火葬の場合はこの後合祀
- お骨上げ(あるプランのみ)
- 返骨(返骨されるプランのみ)
大型犬を火葬する際の注意点は2つあります。
入れられる副葬品は、「おやつ、花、手紙」等の火葬に影響がないものです。
そして、大型犬の場合は骨壺も大きくなります。納骨や手元供養を考えている場合は、骨壷大きさについて心に留めておきましょう。※2
大型犬の火葬前に行うこと
ここからは、大型犬が亡くなったあとのことを解説します。
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死後硬直がはじまる前に手足を折りたたむ
犬が亡くなると、数時間以内に顎から前肢、後肢の順番で死後硬直がはじまります。
死後硬直がはじまるとからだを動かせなくなるため、死後硬直がはじまる前に、手足を寝ている状態になるように折りたたんでください。
きれいな状態で火葬をしてあげるためにも、忘れずに行ってください。
もしも気づいたときに死後硬直がはじまっていたら、無理に動かすと遺体を痛めることになりますのでやめましょう。
死後硬直は24時間ほどで再度顎から前肢、後肢の順番で解け始めるので、その後で折りたたんであげてください。
そして、からだを固く絞ったタオルやガーゼで清め、ブラッシングをしてあげましょう。体液や汚物が出てくることがあるので、都度ふき取り、止まらない場合は脱脂綿を詰めておくなどしてください。
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安置
ペットの安置は、一般的にからだが入る大きさの段ボール箱などを用意します。
しかし、大型犬の場合段ボール箱だと持ち上げた際に重さにより底が抜ける可能性がありますし、大型犬が入るサイズの木箱の入手方法は限られます。
入手が難しい場合は、大きめの木綿の布で包み、運びやすい状態にしておいてあげましょう。
この布の下に、トイレシートや新聞紙、タオルなどを敷き、体液などで床がぬれるのを防いでください。※3
そして、腐敗を少しでも遅くするために、保冷剤を用意してください。腐敗は頭部と腹部が進みやすいため、ここを中心にできるだけからだ全体に保冷剤を置いてください。
大型犬の場合は大量に保冷剤が必要です。もし足りないようでしたら、腹部と頭部、大きな血管が通っている首元を冷やしてください。※2
そして、からだを冷暗所に持って行き、夏場はクーラーをかけてください。
それでも大型犬の場合は、保冷剤や氷をからだ全体に行き渡らせることが難しいため、冷却がじゅうぶんとは言えず、腐敗が進みやすいことが考えられます。
できるだけ亡くなってから1日~1日半ほどの間に火葬をしてあげれば、きれいな状態でお別れができるでしょう。※2
大型犬の遺骨を供養するには
火葬をした後のご遺骨は、納骨・埋骨・散骨・手元供養の4つから供養方法を選んでください。
納骨
納骨とはお墓や納骨堂での供養のことです。
納骨は、ペット霊園・ペット可の寺院・人と一緒に眠れるお墓、納骨堂の中から選びます。
近年では一般的な人間の霊園や納骨堂に、ペット用の合祀墓が併設されるケースも増えているので、ひとつ選択肢が増えています。
ペット霊園やペット可の寺院にも合祀墓はあるので、納骨をしたいけれどお金をかけられない場合は、合祀墓を選ぶと良いでしょう。
また、人と一緒に眠れるお墓の場合は、永代供養にまつわる条件はもちろん、永代供養になってもペットと一緒にいられるかどうかをきちんと確認をしておく必要があります。
埋骨
埋骨とは、火葬をして残ったご遺骨を土に埋める葬送方法です。
土葬よりも早く土に還ることが出来、害虫や害獣、臭いのリスクを減らすことができます。ただし、完全になくなることはありません。
また、法律により埋骨も土葬と同じく自分の土地(私有地)でしか行えないので、公共の場所や山、河川などでの埋骨はやめましょう。
散骨
散骨は、ご遺骨をパウダー状にしてから陸上・海洋など様々な場所に撒く、お墓によらない葬送方法のことで、自然葬のひとつです。
近年は散骨に関する条例を作成している自治体も多くあるため、散骨可能な霊園等で行うか、海洋散骨を選ぶようにしましょう。
手元供養
手元供養とは文字通り自分の家にご遺骨を置いて供養をする方法です。
仏壇や手元供養用のプレートなどは必須ではありません。ご遺骨に手を合わせることが供養になるので、どのような形でも構いません。
手元供養は自由度が高く、お金をかけないで供養ができることがメリットですが、実はデメリットも多くあります。
それは、ペットロスが長引く可能性があること。
飼い主の入院や逝去により他人の手でご遺骨がゴミとして処理されてしまう可能性があることなど、さまざまなリスクがあります。
手元供養は数年の間だけにして、あとは散骨や納骨を選ぶと良いでしょう。
ご遺骨の一部をロケットやカプセルに残す「分骨」も近年では人気です。
まとめ
- ペット火葬でいう「大型犬」「小型犬」「中型犬」は「犬種」ではなく、「体重(kg)」のこと
- 「体重(kg)」で費用や火葬にかかる時間が決まる
- 大型犬の火葬にかかる時間は、15~25㎏で60~100分前後、25㎏以上で100~120分前後
- 移動火葬を選ぶ際は、大型犬に対応しているかを尋ねるとともに、何時間も駐車をしておける場所の確保も大切
- ペット霊園を選ぶ場合は、車や駐車場の有無、建物の清潔感、スタッフの対応を確認し、納骨まで行うならば、飼い主亡きあとの供養も確認する
- 死後硬直がはじまる前か終わったあとに、手足を折りたたみ、ご遺体を清潔にして冷暗所で安置をする
- ご遺骨の供養方法は、納骨・埋骨・散骨・手元供養の4つから選ぶ
よくあるご質問
-
Q
大型犬の火葬にはいくらかかりますか?
A比較的安価な移動火葬の料金で、25〜30kgの犬の場合、合同火葬で42,900円かかります。40kg以上になると、62,700円が相場です。
-
Q
大型犬は移動火葬で供養できますか?
A業者に大型犬の火葬ができる大きな火葬炉を積める車があることに加えて、飼い主様の環境も整っている必要があります。この二つがそろっていれば、移動火葬でも大型犬の火葬が可能です。
-
Q
大型犬の遺骨ってどう供養すれば良いですか?
Aペットのご遺骨の供養は納骨、埋骨、散骨、手元供養から選べます。
-
Q
何kgから大型犬の分類に入りますか?
A一般的には25kg以上の犬を大型犬と呼びます。※4
※1
料金表|東京都北区のペット霊園・東京動物霊園
https://www.tdr.co.jp/price/(閲覧日:2023/9/27)
ご火葬料金・御霊座費用のご案内 - 【公式】深大寺動物霊園
https://www.musashinokk.co.jp/tomonokai/ryoukin/(閲覧日:2023/9/27)
料金について|アート・ペットクラブ
https://art-petclub.co.jp/price/(閲覧日:2023/9/27)
※2:ラブラドールレトリバーやゴールデンレトリバーなど大型犬が亡くなってしまったら?大型犬の火葬 | ペット火葬真愛メモリアル(2023/5/6)
https://saitama-pet-memorial.com/%E3%83%A9%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%AC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%84%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%90%E3%83%BC/(閲覧日:2023/9/27)
※3:大型犬の火葬手順|ペットを安置したら霊園などに連絡!費用も紹介(2023/6/23)
https://www.petsogi-nabi.com/big-pet-cremation/#index_id1 (閲覧日:2023/9/27)
※4:犬の年齢って人間の何歳?ひと目で分かる早見表&年齢ごとに気をつけるポイント
https://petpro.jp/post-12297/(閲覧日:2023/9/27)
こちらの記事もご覧ください
※1当社運営ペット葬儀サービスに対するお客様アンケート:詳細はこちら ※2 弊社運営ペット葬儀サービス全体のお問い合わせ件数
この記事の執筆者
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
竹田 恵氏
ペットシッター士
ライター
2017年よりライターとして活動中。子供の頃から動物好きで、猫、ハムスター、うさぎの飼育経験あり。現在はシーズー犬と一緒に暮らしている。犬は他の動物と比べて人間と密な生活になるため、ペット関係の資格を取得した。
運営元情報
サイト名 | : ペトリィ 小さな家族のセレモニー |
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運営会社 | : シェアリングテクノロジー株式会社 |
企業サイト | : https://www.sharing-tech.co.jp |
電話番号 | : 0120-220-175 (平日9:00~18:00) |
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